【セレクトセール2日目】ポストディープはハーツ産駒 〝2大巨頭〟不在でも活況

2020年07月15日 16時59分

新時代のセリでトップ評価を奪取したのはハーツクライ産駒。ヒルダズパッションの20が当歳馬最高値の3億8000万円で落札された(日本競走馬協会提供)

 国内最大の競走馬セリ市「セレクトセール2020」の2日目=当歳(0歳)馬セッションが14日、北海道・苫小牧市のノーザンホースパークで行われた。08年に初めて上場されて以降、セレクトセールの主役であり続けたディープインパクト&キングカメハメハ産駒が消えて転換期に突入したセリをリポートする。

 昨年この世を去ったディープインパクト、キングカメハメハの産駒が不在という状況で、次世代の種牡馬の競争トップに立つのは、どの馬か? そんな疑問に、この日のセリが答えを出した。“正解”はハーツクライ産駒。3億8000万円という超高額馬ヒルダズパッションの20(牡)は、「ホウオウ」の冠号で知られる小笹芳央氏が落札した。「今年もムキになってしまいましたね。でも、今日はこの馬が抜けて素晴らしいと思っていました。大舞台に立てるよう順調に育ってくれれば」と小笹氏。全兄に米国で芝・ダート両GIを制したヨシダ、ディープインパクト産駒の半姉サンクテュエールは今年のGⅢシンザン記念を勝っており、成長力に大きな期待が持てそうだ。

 シーズアタイガーの20(牡)は2億7000万円で(株)ダノックスが落札。「ディープがいなくなればハーツクライ。今日はオーナーと相談してハーツを落とそうと思っていました。昨日も良かったし、今年のセレクトセールは100点ですね」と岡田良樹ディレクター。前日の1歳馬セリで4億円で落としたフォエヴァーダーリングの19も含めて満足いく“買い物”ができたようだ。

 このほかハーツ産駒は、前日に国内1歳馬セリ史上最高額となる5億1000万円の値がついたシーヴの19の半弟、シーヴの20が2億1000万円で三輪ホールディングに落札されるなど“億超え”が続いた。

 昨年の菊花賞をセレクトセール出身のワールドプレミアで制した大塚亮一氏は、注目していたというロードカナロア産駒ファイナルスコアの20(牡)を2億円で落札。「この血統には思い入れがあり、軽い体をしていてバランスもいい。サンデーサイレンスが入っていないというのも将来的には大きいと思います」と、笑顔が絶えなかった。

 当歳が初年度産駒になる種牡馬の中ではサトノダイヤモンドが目立った。阪神大賞典などGⅡを3勝したシャケトラの半妹サマーハの20が1億円の値をつけた(落札=金子真人HD(株))ほか、コンヴィクションⅡの20(牡)は7400万円で落札(野田みづき氏)。また、当歳が2世代目に当たるキタサンブラック産駒も2頭が1億円超えで高い評価を得た。

 この日の結果は落札総額83億3400万円、平均落札額は4105万円。昨年と比べて総落札額は約14億円下回ったが、1億円オーバーは11頭。ディープインパクト、キングカメハメハ産駒がいない中では十分な成果と言えそうだ。

 日本競走馬協会会長代行で、社台ファーム代表の吉田照哉氏は「(コロナで)難しい状況の中、密にならないように椅子を減らしたり、見学の方は遠慮願ったりと対策を取った。それでも(上場馬には)いい値がついた。アメリカではかつてノーザンダンサーが亡くなった後、超高額馬が出づらい状況になりましたが、ディープインパクト不在の今回は、良血でいい馬体の馬には、ちゃんと値がついていた。日本の繁殖のレベルが格段に進歩している。繁殖牝馬に投資した結果が出ていますね」と締めくくった。