【プロキオンS・後記】サンライズノヴァ〝ケガの功名〟V 帝王賞除外で見えた適距離

2020年07月13日 18時20分

サンライズノヴァ(左)は上がり34秒4の豪脚でGⅠ馬の底力を見せつけた

 GⅢプロキオンS(12日=阪神ダート1400メートル)は、メンバー最重量の59キロを背負っていたサンライズノヴァ(牡6・音無)が直線外から差し切って地力の違いをアピールした。昨年の交流GⅠ南部杯Vなどメンバートップの実績を残していた馬。単に力の違いが結果に表れただけとも言える今回の勝利だが、その裏にはケガの功名とも言うべき経緯があった。

 道中は後方2番手。前が残りがちな渋った馬場(稍重)で59キロの酷量を考えれば、決して安穏としていられるポジションではなかったはずだが、鞍上の松若に慌てる様子はまったくなかった。

「馬格がある馬なので斤量はそこまで気にしていませんでした。馬のリズムであの位置からになったけど、しまいはしっかり脚を使ってくれるので、馬を信じて乗っていました」

 そこにあったのは力が抜けているという絶対的な信頼。その気持ちに馬も応えるように、抜群の手応えからレースの上がりを1秒2も上回る34秒4の最速上がりで他を圧倒してみせた。

「状態は良かったけど、正直59キロでは厳しいと思っていたんだ。それにしても追ってからの脚はすごかった。改めて力があることがわかったよ。これまで強い馬と戦ってきたからね」と音無調教師は予想以上の走りっぷりに驚いた様子だ。

 これまでキャリア27戦のうち左回りが20戦。勝ち鞍8勝のうち7勝が左回りという典型的サウスポーが、久々の右回りで59キロを背負って重賞Vというのだから、確かに強かった。

 そもそも、今回ほとんど走ったことがない阪神ダートという舞台にエントリーしてきた理由は、6月の交流GⅠ帝王賞を除外されてやむなく、という消極的なものだった。今回の勝ち方を見て「やっぱりこの馬は1400メートルから1800メートルまでだよな」と漏らした音無調教師。もし、賞金除外にならず2000メートルの帝王賞に使えていたら…。今回のような強い競馬を見せられていたかどうかは微妙なところだ。賞金もしっかり確保できて、右回りでも守備範囲なら少々斤量を背負っていても大丈夫ということを陣営に認識させた今回のレースは、結果万々歳のV劇だった。

 今後は「放牧に出して南部杯(10月12日)あたりを」とローテを披露したトレーナー。活躍の場がよりはっきりしたことで、今年の秋はさらにパフォーマンスを上げてくることだろう。