【七夕賞・後記】〝遅咲き〟クレッシェンドラヴ GIの大舞台でも輝けるのか

2020年07月13日 18時30分

林調教師(手前)にガッツポーズで応える内田博=クレッシェンドラヴ

 12日、福島競馬場で行われたサマー2000シリーズ開幕戦(9・6新潟記念まで全5戦)のGⅢ七夕賞(芝2000メートル)は、3番人気のクレッシェンドラヴ(牡6・林)が追いすがるブラヴァスを1馬身突き放して優勝。昨秋の福島記念に続く重賞2勝目を飾った。梅雨時の重馬場の一戦を振り返ると同時に同馬の今後を探った。

 まるで荒れ馬場での牡馬クラシック第1戦となった2012年皐月賞(稍重)でのゴールドシップをほうふつさせる手綱さばき。ポイントは仕掛けのタイミングと勝負どころの進路取りで、あの時の内田博はぽっかり空いた内めを突いて大胆に進出した。

 今回のパートナー・クレッシェンドラヴはというと、馬群がばらけた間隙を突いてド真ん中から進出。出脚がつかずに後方からの競馬を余儀なくされたビハインドを見事に覆してしまう完璧騎乗をやってのけた。

 レースを振り出しに戻そう。ハナを切ったのはパッシングスルー。馬場のやや外めを回りながら4ハロン通過49秒0のマイペースに持ち込んだ。やや離れた番手にはウインイクシード。この2頭が6、5着に踏みとどまったことを踏まえれば、やはり後方待機策では届かない。メンバー次位の上がりを使ったヒンドゥタイムズ(4着)は重賞通用の脚質は見せたが、立ち回りの差で勝ち馬に大きく水をあけられた格好だ。

「本来は先行したかったけど、前に行けなかったのですぐに(レース運びを)切り替えた。内めの馬場が悪かったので外めへ。持ち前のスタミナでゴール板を先頭で駆け抜けることを信じながら追った」とは2週連続で“みちのく重賞V”を達成した内田博。上がりは出走馬最速(36秒6)だった。ベテランの才は混戦になればなるほど威力を発揮する。

「レースに関してはすべて内田さんにお任せしていましたから。本当に感謝しています。半年ぶりの実戦でも馬の仕上がりは良かったですし、確実にパワーアップしています。今後は他の競馬場でもしっかりと結果を出せるようにしたい」

 鞍上をねぎらいながらも、次なるステップへ目を向けたのは管理する林調教師だ。今後は「サマー2000シリーズ」を取りにいくのか、秋シーズンに向けて休養に入るのか現時点では未定だが、6歳夏にして本格化したのは間違いない。

 母父サドラーズウェルズに、父は遅咲きの大器ステイゴールド。49歳のベテランとともにGⅠの大舞台で輝きを放つことを楽しみに待ちたい。