早ければ今夏の新潟、札幌から待ちに待った生競馬! 11日から一部ウインズ、J―PLACEで馬券発売再開

2020年07月10日 12時00分

観客を入れての再開予定もあり得る中での、進化した観戦様式とは?

  日本中央競馬会(JRA)は、新型コロナウイルスの影響によって馬券発売を中止していたウインズ、J―PLACEの一部地域での11日からの発売再開を発表した。営業時間を短縮し、レース映像やオッズ情報などの提供がない限定的なものだが、今後は都市部でのウインズ、そして観客を入れた競馬場再開のタイミングを計っていく。早ければ今月下旬~8月上旬の新潟、札幌開催から観客を入れての再開予定もあり得る中、ウィズコロナで変わる進化した観戦様式とは? 

 プロスポーツやイベントの入場制限が緩和される中、2月下旬から無観客競馬を継続しているJRAがウィズコロナへ新たな一歩を踏み出した。11日から一部のウインズ、J―PLACEを再開。入場時におけるマスク着用の義務化と検温を実施し、施設内には一定の距離を保つための目印を設置する。また、レース放映とオッズ情報などの提供は行わず、入場時から退場まで動線に沿って長時間の滞留を防止することで、ウインズへ来場して馬券購入→自宅でレース観戦というシンプルな流れに移行する。段階を踏みながら今後は首都圏などのウインズでも再開へ向かうことになる。

 そんな中で最もファンが待ち望むのが観客を入れた競馬場の再開だろう。ただし、クリアすべき課題は多い。まずは入場者数の制限と入場方法だ。開催中の福島競馬を例に挙げると、武豊がオジュウチョウサンで参戦した開成山特別(18年7月7日)当日の入場人員は1万4247人。相当な混雑で、開門待ちに2658人が列を作った。現在の状況で再開するとなれば、入場人数は半分以下、いや5000人前後が妥当ではないだろうか。その際、他業種のイベント同様に日付入り前売り入場券の発売が必要になる。ちなみに直近開催のローカル競馬場の入場券は100円。ネットやハガキによる抽選→当選者においては当面の間、入場無料というのがスムーズではないだろうか。

 そして“ファンとサラブレッドの最も近い場所”がパドックエリアだろう。ある厩務員は「花壇はあるけど、外めを周回するとパドック最前列のファンとは相当近くなる。もちろん、今まで通り、写真を撮影したり、ゆっくり見てもらいたいけど…」とこの密な状況に対し不安を口にする。ファンエリアのひな壇を禁止区域とすれば済む話だが、肌ツヤや鍛え上げられた筋肉美を間近で見られなくなる可能性も。今後、パドック観戦にはマスク同様にオペラグラスが必需品になる。

 指定席エリアは一定の距離を保った上で観戦が可能か。座席正面こそガラス張りの密閉空間だが普段から空気の清浄化を実施しており、感染リスクは最小限に抑えられるか。ただ、自動券売機を往復する流れは変わらず、こちらもウインズ同様に的確な動線が敷かれる。また、売店などはファンサービスの観点から一部の飲食店が営業する見込みで、従来通りアルコールの販売も行われる。競馬場を訪れるファンにとって最低限の楽しみは確保されるもようだ。

 場内で最も密となりそうなのが、レース中のゴール前だろう。迫力ある追い比べを目の前で見ようと人が密集する場所だ。たとえ十分な間隔を取ったとしても、ゴール寸前の攻防で冷静を保つのは難しく、ファン同士によるトラブルの要因になりかねない。この件に関してJRA広報は「現在は対策を協議中です。ファンの皆様に安全と安心の下、競馬観戦していただけるように努力してまいります」とのこと。シンプルに考えるなら一定の距離を保ちつつ、コンサート会場のように移動式の簡易ベンチを設置しレースの直前、直後だけ着席状態を保てば5分間程度の3密は避けられる。各競馬場には大型ビジョンが設置されており、着席でも大きな障壁にはならないだろう。

 これまでのようにレースで過剰なまでに熱狂するファンの姿は見られず、座席から気持ちのこもった応援へと観戦スタイルは大幅に変わるだろう。プレーヤーである競走馬&ジョッキーと観客とが一体化したメジャー流の進化した応援スタイル――。早ければ今月下旬~8月上旬の新潟、札幌開催から観客を入れての再開、さらに秋のGIではフルに観客を入れての通常開催を目指しているとの声も聞かれる中、競馬場を満喫する週末がいち早く訪れる日を待ちたい。 

★プロ野球は観客の上限5000人=先月19日に無観客で開幕したプロ野球は政府の方針に従い、10日から観客の上限を5000人として開催する予定。Jリーグも10日から上限5000人(もしくは収容人数の50%以下で少ない方)で観客を入れる予定となっている。また、ばんえい競馬(帯広競馬場)ではJRAと同様に2月29日から無観客で開催を施行していたが、11日の開催から観客を受け入れる(混雑時には入場制限を行う)。いずれも新型コロナウイルスの感染状況次第で予定が変更になる可能性があるが、入場制限の緩和は着実に進みつつある。