【七夕賞】キーワードは「湿度に負けないタフさ」

2020年07月09日 18時31分

【七夕賞(日曜=12日、福島芝2000メートル)美浦トレセン発秘話】七夕賞の取材開始にふさわしいと勇んで乗り込んだ7月7日の美浦トレセン。気温は27度と決して高くない。しかし、全身からじわりと噴き出す汗が止まらない。まるでミストサウナだな…。どんよりとした思いで馬場を見ていると、斎藤誠厩舎の加賀美健一厩務員が「早く札幌に行けばいいのに」と声をかけてきた。彼とはローカルで何度か酒を交わした間柄。コロナ終息の折はまた一席設けたいと思っているが、まずはムダ話より取材である。

「俺と似て夏バテしそうな馬を見つけているんだ」とそっけなく答えると、意外に興味深い返事が返ってきた。

「確かにサラブレッドにとって案外きついのがこの湿度なんです。真夏より梅雨時期のほうが、グタッとする馬が出てきますからね」

 なかなかいいことを言うと感心した。というのも、七夕賞にマイネルサーパスを送り出す高木登調教師の1週前の言葉を、彼のおかげでふと思い出したからだ。

「来週の天気はどうなんですかね。気になるのは気温よりも湿度。同じダメージでも、これはボディーブローのようにジワジワ利いてくるんです。しっかりケアして挑みたいですね」

 同馬は昨夏のGⅢラジオNIKKEI賞2着を含めて〈2・1・0・0〉の福島巧者。重馬場の福島民報杯を制した通り、この時季心強い馬場不問キャラでもある。先頭に立つと気を抜く気性はネックだが、小回りコースなら鞍上も立ち回りやすいのだろう。

「最近は返し馬でゴール板だけは馬にしっかり見せて、頑張る場所を理解させているんです」(同師)という細やかな指示も効果的に作用している気がする。

 他にも福島巧者が揃ったが、注目すべきはMサーパス同様、梅雨時期に好結果を残す馬か。クレッシェンドラヴは昨年の七夕賞で2着。半年ぶりの実戦が肝だが、管理する林徹調教師は仕上がりに自信ありげだ。

「右臀部の筋肉痛で日経賞を回避しましたが、牧場で立て直していつものルーティンで3週前に入厩。至って順調に乗り込んで状態面は何も心配ないです。昨年は輸送減りを考慮してつくったら案外なプラス体重(8キロ増)。昨秋の福島記念も輸送では減らなかったから、今回は気にせず攻められるのが強みですね」

 おそらく七夕賞は「湿度に負けないタフさ」がキーワード。当日のパドックまでしっかりチェックして、週末は暑気払いの大儲けといきたい。