【ユニコーンS・後記】好時計で圧勝したカフェファラオの可能性

2020年06月22日 19時01分

豪州の名手レーンもカフェファラオの非凡な能力を大絶賛した

 3歳世代のダート巧者が顔を揃えたGIIIユニコーンS(21日=東京ダート1600メートル)は、1番人気のカフェファラオ(牡・堀)が1分34秒9(稍重)のレースレコードで快勝。初の重賞タイトルを手にした。勝ちっぷりもさることながら、JRA屈指の“出世レース”を制したことで、今後の展望が大きく開けたのは間違いない。その可能性を検証する。

 米の3冠馬アメリカンファラオ産駒から怪物が登場した。勝ちタイムの1分34秒9は、18年ルヴァンスレーヴの1分35秒0(重)を0秒1更新するレースレコード。確かに前半のペースも速かった(前4ハロン通過は今年=46秒1、18年=47秒1)のだが、3コーナー手前で早くも2番手に。それで2着馬を5馬身もちぎってしまったのだから、まさに強いの一語だ。

「(番手を)考えていたわけではないが、いいスタートが切れたし、内の馬の出方を見ながらあの位置へ。前半少し脚を使ったが、その後はリズム良く行けたからね。直線を向いた時はリラックスし過ぎたくらいで、脚が残っているのか心配になったけど、残り300メートルの地点で追い出したら反応が素晴らしかった。最後までこれだけの脚が使えるとはね」とレーンも興奮気味にレースを振り返る。

 名手の想像を超える勝ちっぷりに夢は広がるばかり。しかも、まだキャリアは3戦3勝。「一戦ごとに成長を見せてステップアップしている。でも、まだすべてが見えていない」(レーン)。とりあえず、同世代で抜けた存在であることは証明したが、ここはまだ通過点にすぎない。

 そもそもユニコーンSの過去の勝ち馬はそうそうたるメンバー。ベストウォーリア、ノンコノユメ、ゴールドドリーム、ルヴァンスレーヴ…。2歳時に全日本2歳優駿を勝っていたルヴァンスレーヴを含めて、勝ち馬は2015年から昨年までのちにJRAもしくは交流のダートGIを制している。

 世代最初のダート重賞(JRA)とあって好メンバーが集結するのは当然だが、レベルを押し上げているのはそれだけではない。現在、JRAのダートGIは今回と同舞台のフェブラリーSと中京1800メートルのチャンピオンズC。同じ左回りで距離も1ハロン違うだけでは、ユニコーンSとリンクするのもある意味、必然。さらに交流の南部杯やかしわ記念(こちらは小回りだが)も加えれば、活躍の場は数多く用意されている。

 東京大賞典が2000メートルに短縮され、東京2100メートルのジャパンカップダートも消滅。ダート界はすっかりスピード重視へかじを切り、今や芝並みのスピードまで要求される時代になった。それを考えれば、東京のマイルを好時計で圧勝した意味は大きい。先の見通せない時代ではあるが、少なくとも国内の範ちゅうでは先輩同様に一時代を築ける大器なのは間違いない。