【エプソムC・後記】重賞初Vダイワキャグニー 剛腕・内田博とのタッグが実を結んだ!

2020年06月15日 21時33分

内田博ダイワキャグニー(右)は人馬一体の好騎乗で見事に重賞初制覇

 14日、東京競馬場で行われたGIIIエプソムカップ(芝1800メートル)は、9番人気の伏兵ダイワキャグニー(牡6・菊沢)が追いすがるソーグリッタリングを1馬身半突き放して勝利。勝ち時計は1分47秒7(不良)。デビュー24戦目にしてうれしい重賞初制覇を飾った。まれに見るドロンコ馬場の中で行われた消耗戦の詳細をリポートする。

 金曜から府中に断続的に降り注いだ雨は、新緑のターフへ存分に染み渡った。超スローペースだった昨年を除けば、近10年でワーストタイム。重馬場だった昨年のジャパンCで0秒7差6着があるダイワキャグニーだが、もちろんそれだけが勝因ではなかった。

「スタートしてからは外にいた馬のほうが速かったが、多少ペースが厳しくなっても、ポケットには入らないように気をつけた」

 レース後に内田博が打ち明けたように、もともとモマれ弱さのあるタイプ。それが同馬の出世を妨げていた一因にほかならないが、ハナを切ったトーラスジェミニを深追いすることなく、ぎりぎりのところでアトミックフォースにかぶされない位置取り=2番手を確保。ここが最大の勝因だったろう。

「これまで重馬場でも頑張ってきた馬だし、直線での進路取りはあまり考えなかった。あまり外には出し過ぎないようにと。ゴールでは突き抜けてくれるように願いながら追った」と充足した面持ちで鞍上は語ったが、荒れ馬場にフットワークが乱れる馬が多い中、最後までムチを多用せず、持ち前の体幹の強さと剛腕で真一文字にパートナーを走り切らせた手腕はことさら光った。

 全7勝を挙げているベストの東京に、前走比マイナス16キロの馬体が示す通りの陣営渾身仕上げ。それらも見逃せない要因だが、凡走に終わった1、2番人気馬がテン乗りだったことを改めて鑑みれば、過去7戦でタッグを組んでいた人馬の絆が勝利への大きなスパイスとなったのは間違いないところだ。

 ちなみに直近の不良馬場だった00年のエプソムCで勝ったのはアメリカンボス。その後は重賞を2度制して01年の有馬記念では13番人気ながら2着に入る健闘を見せた。当時と同じく尋常ではない消耗戦を制した今年の勝ち馬も、再び我々の度肝を抜くような走りをどこかで見せてくれることを期待したい。