【マーメイドS・後記】サマーセントを重賞初Vに導いた“軽ハンデ請負人”酒井

2020年06月15日 21時31分

酒井サマーセント(左)は作戦通りの2番手抜け出しで見事に勝利

 14日、阪神競馬場で行われた牝馬限定のハンデGIII・マーメイドS(芝内2000メートル)は、7番人気のサマーセント(4歳・斉藤崇)が2番手から押し切って優勝した。格上挑戦、重賞初出走でタイトルを手にできた要因は何なのか? レース後の関係者の談話を通して考察する。

 ゲートが開くとナルハヤがハナに立ち、隊列がすんなりと決まった。前半1000メートル=60秒8という平均的な流れで、大きな動きのないまま3~4コーナーへ。そんな中、サマーセントはナルハヤを見る2番手の位置につけ、あとはこれをかわすだけという絶好の形をつくる。手応えを残して直線に向くと、残り200メートル過ぎで先頭に。こうなると50キロの軽ハンデも手伝って、もう止まらない。猛追するセンテリュオを封じて重賞初制覇のゴールインを決めた。

「調教に乗って好感触を得ていましたし、この馬の形でスムーズに運べました。ポジションを取れば最後まで脚をためられると思っていました。リラックスして進められましたし、僕はつかまっているだけという感じで楽でした。落ち着きがあってレースでも素直。すてきな馬ですね」とは鞍上の酒井。「(このレースは)毎年軽量馬に声をかけていただいています。期待に応えられてホッとしています」と“軽ハンデ請負人”としての仕事を終え、すがすがしい表情を見せた。

 管理する斉藤崇調教師は「前走(下鴨S=3着)は男馬相手にいいレースをしていましたし、牝馬限定戦なら、と思っていました。力のいる馬場でしたが、(道悪に強い)ハービンジャー産駒なので心配はしてなかったし、いい内容だったと思います。カイ食い、体つきや性格など、去年より全体的に馬が良くなっています」と馬自身のパワーアップを勝因に挙げた。

 この日のレースはケチのつけようのない内容だったが、その一方で、軽ハンデや馬場、展開を含めたもろもろの“設定”がマッチした部分も大きかった。

 重賞タイトルを得たことで今後は斤量も背負うことになり、他馬のマークも厳しくなる。もう一段階上のレベルを要求されるわけだ。そこでも結果を出せるのか? それこそがサマーセントにとっての大きな試金石となる。これを難なくクリアするようなら…。さらに大きなタイトルも視界に入ってくるだろう。