【旭堂南鷹のビンボー講談師に明日はない】レーンの手綱で覚醒ダノンプレミアム

2020年06月06日 18時00分

【旭堂南鷹のビンボー講談師に明日はない】ダービー直前、コンビニのコピー機に“密”ができている。定額給付金を申請するために必要な書面をコピーする人たちだ。その時は「金が欲しいなら安倍に頼らず、坂井瑠星を買えばいい」とうそぶいていたが…。ダービー直後、僕は郵便受けをあさっていた。競馬資金が尽きるか、給付金が入るか。人生のマッチレースだ。

 アーモンドアイの前走は戦前から予想された通りの無難勝ち。圧勝というより楽勝というべき内容だった。「反動はない」と報じられては、死角なしと思うのも無理はない。しかし、反動はなくても楽に勝ちすぎたがゆえの油断が生じないか。

 もちろん、メンバーが強くなるのだから人間に隙はない。だけど、馬は知らない。楽して勝つという記憶が残る。過去の名馬が出し抜けで負けているのは、人馬の油断によるところが大きい。アーモンドアイのこれまでの敗因は不利と体調。まだ出し抜けで負けてはいない。今回はそのにおいが充満している。

 まずは前門の虎ダノンプレミアム。昨年の秋の天皇賞でぐうの音も出ないほどにやられた。最近は勝ち切れない馬になりつつあるが、トレセンで見るたびに目を奪われる漆黒の馬体が早熟とは思えない。隠している能力が間違いなくある。それを覚醒させるのにレーンほど魅力のある騎手はいない。全能力開放となれば、アーモンドアイを封じ込められる馬だ。

 次に後門の狼ケイアイノーテック。長く続くスランプの間も平田先生の評価は変わらぬまま。ここ数走の追い込みには迫力が戻ってきて、ようやく復調の兆しが見えてきた。坂路での追い切りのしまい11・8秒がそれを証明している。並ぶ間もなくアーモンドアイを差し切れば、もちろん大波乱。

 僕の頭の中ではアーモンドアイは負けている、けどなぁ。

◎ダノンプレミアム
○アーモンドアイ
▲ケイアイノーテック
△グランアレグリア
△ダノンキングリー

【プロフィル】きょくどう・なんおう 講談師。マイケル・ジャクソンの自伝を読んで講談師の道を決意。演目は競馬、MJの他に「五代友厚」をシリーズ化。毎週日曜7時~ラジオ関西「旭堂南鷹の今昔なにわ物語」出演中。夢はグラミー賞朗読部門。