【安田記念】戸崎圭 ダノンキングリーとのコンビで「GIを勝ち取りたい」

2020年06月05日 21時01分

戸崎圭との絆の深さを見せたいダノンキングリー

【安田記念(日曜=7日、東京芝1600メートル)美浦トレセン発秘話】スポーツにおいて「メンタル=気持ち」はどれだけパフォーマンスを引き上げるものなのか。例えば、守備でエラーをした選手にその後、チャンスで打席が回ってくる。そんな場面を見るにつけ、“悔しさを晴らすために打ってくれるだろう”とつい期待してしまう。結果は打ったり打たなかったりで、実際には平均的な成績に落ち着く気もするが、数値で測れるものではない以上、解明されることのない永遠のテーマだ。

 ただ、トップアスリートたちの戦いでは気持ちが勝負を左右したと思わせるシーンは多々ある。アマチュアボクサー時代には技術はもちろん、熱いハートが決定的に不足していたため、敗戦続きだった当方。ゆえにスポーツにおける気持ちの重要性は十分に分かっているつもりだ。

 さて、競馬に話を移そう。今年も「乗り替わりの馬はダービーを勝てない法則」は継続されたが、おそらく“癖をつかんでいる、つかんでいない”という単純な理由だけではあるまい。人馬の絶対的な信頼感、そして“勝たせたい”強い思い(もちろん、出走するジョッキーみなが持っているだろうが…)が紙一重の勝負では大きな後押しになる。

 アーモンドアイを「僕のライフホース」と表現したルメール。今回の安田記念には史上初の芝8冠、悔しい思いをした昨年(3着)のリベンジもかかるだけに、鞍上の気持ちは相当熱いだろうが、ここに照準を合わせてきたように復帰した戸崎圭=ダノンキングリーも思いは負けてはいまい。

 昨年11月の落馬負傷から2週前に復帰。まだ勝利という結果は出ていないように「(競馬の)流れを忘れているところもある。攻め馬とまったく違うな、という感じもあった」と当初は実戦勘を取り戻し切れずにいた。それでも実戦を積み重ねたことで「先週は(騎乗しての)感じも良く、以前のイメージが湧いてきた。感覚的にもどかしい面も徐々に戻ってきたね」と完全復調の手応えをつかんだ様子だ。

「感慨深いですね。(管理する)萩原先生からはケガで休んでいた中で何度も連絡をいただいて…。復帰がいつになるか分からないときから声をかけていただいた」

 この言葉を聞けば、復帰プランの一部として、主戦を務めるダノンキングリーとのGI参戦もイメージしていたことは間違いない。

「GIまでもう少しのところまできている。コンビでGIを勝ち取りたいと思っています」

 2度の手術や厳しいリハビリを乗り越え、GI惜敗続きの悔しい思いを晴らすべく復帰した名手。アーモンドアイの能力、そして鞍上ルメールの気迫…立ちはだかる敵は強力だが、熱い魂がぶつかり合う好勝負を期待したい。