【安田記念】アドマイヤマーズ GI・3勝でも“不当”評価に異議

2020年06月03日 21時35分

早めに栗東へ帰厩して大一番に備えたアドマイヤマーズ。活気がみなぎっている

【安田記念(日曜=7日、東京芝1600メートル)M大好きトラックマンの渾身リポート】「(アーモンドアイ、インディチャンプに次ぐ)3番人気どころか、もっと評価は低いんでしょうね」。第70回安田記念に出走するアドマイヤマーズ陣営の嘆きだ。GI・3勝を含むマイル重賞4勝という輝かしい実績を誇りながら、「完成度の高い早熟型」「瞬発力勝負に弱い」といった声もチラホラ…。「M(マーズ)愛すべき馬がいて」代表のM大好きトラックマンが不当な評価を正すべく、渾身リポートをお届けする――。

 昨春にNHKマイルCを勝ち、暮れの香港マイルも制覇。それもレース史上初の3歳馬の優勝(国際GIに昇格した2000年以降)という価値あるものだったのだが…。JRA賞は皐月賞馬サートゥルナーリアに「最優秀3歳牡馬」のタイトルを持っていかれ、「最優秀短距離馬」の座は春秋の国内マイルGIを制したインディチャンプが受賞した。

「正直、あれは悔しかったですよ。特に香港マイルの勝利は評価してほしかったですね。上位を争った香港の馬(ワイククとビューティージェネレーション)はその後も結果を出している。レベルの高いメンバーだったんですから」と大江助手。

 昨年の実績に見合わぬ“低評価”を覆すことこそが、アドマイヤマーズの今年の最重要テーマとするなら、GI馬10頭が参戦予定の安田記念史上に残る超豪華メンバーはむしろ、望むところだ。

 もちろん、各馬のネームバリューだけを歓迎しているのではない。スプリント路線から参入してくる馬がつくる“緩みのないペース”はアドマイヤマーズにとってはプラス。そして、それを追いかける馬たちのレベルが高いこともまた歓迎材料となる。

「すべての面でのレベルが高い馬ですが、あえて死角を挙げるなら、瞬発力で少し見劣ること。だからこそ、皐月賞(4着)はもう少し積極的な競馬をしてほしかった…という思いが今も残っているくらいです。今回はペースが流れそうなメンバーで、それを捕まえにいく馬たちも相当に強い。間違いなくハイレベルなレースになりますよね。トップスピードを持続する競馬はマーズにとって大歓迎ですから、ポジションをしっかりと取って、自分から動いていく形をつくりたい」(大江助手)

 ハイレベルなメンバーによるハイレベルな流れだからこそ、“肉を切らせて骨を断つ”アドマイヤマーズのスタイルがより生きる。となれば、残された問題は、その厳しい展開を乗り越えられる状態にあるかだけ。ドバイ国際競走の中止により、この安田記念が今年初戦になったことを不安視する声は必ず出てくるだろうが…。

「確かに難しい面はありましたけど、すごくいい雰囲気でドバイに連れていくことができましたし、獣医さんからも“日本の遠征馬で最も状態がいいのはアドマイヤマーズかもしれないね”って言葉をもらっていたくらい。(帰国後は)いつもよりも早めにピッチを上げて乗り込んできましたし、競馬に向かうモチベーションにもなっていますよ」と大江助手はノープロブレムと言い切った。

 ならば、さらに突っ込んでみよう。早い時期から「完成度が高い」と言われ続けてきた馬だが、伸びシロは十分にあるのだろうか?

「マーズには“ここが成長してほしい”という部分がなく、最初からすべてが揃っていた。でも、それは競走馬として完成していたのではなく、単純に他の馬よりも能力が優れていたということ。僕はデビューしたころから“完成度が高い”という表現をせず、常に“他の馬よりも平均点が高い”とコメントしてきました。放牧に出せば、常に成長して戻ってくるし、そのときも“ここが成長した”ではなく、全体的に底上げしている感じ。こんな馬はなかなかいませんよ。それはドバイに向かう前にも感じたことで、おそらくは昨年よりも強くなっていると思います」(大江助手)

 海外の強敵を下しても正当な評価を得られなかった香港マイルと違い、今回の安田記念には「現役最強」の称号を与えられし馬がいる。そのアーモンドアイを負かしさえすれば…。アドマイヤマーズ陣営のボルテージが上がるのも当然。不当な評価を覆す“渾身走”に1票を投じてみる価値はある。