【旭堂南鷹のビンボー講談師に明日はない】コントレイル 最大の敵は身内にあり

2020年05月30日 18時00分

【旭堂南鷹のビンボー講談師に明日はない】初めてダービーを生で観戦したのは、20万人近い大観衆が詰めかけたあの伝説のダービーだ。Iさんという人が当時16歳の僕の身元を引き受けてくれた。オグリキャップの有馬記念も一緒に見た恩人。なのに、不義理が持病みたいなもんだから、疎遠になってはや20年以上がたつ。先日、Iさんからメールが届いた。

「東スポのPOG特別号見ました。覚えていますか? 夢かなえて良かったね」

 東スポにはいろいろと夢をかなえさせてもらっているけど、まさか人の縁まで修復してくれるとは。Iさんと東スポにご恩返しするためにも、日本ダービー当てます!

 勝つのは、ほぼほぼコントレイルだろう。矢作先生のこの馬に対する信頼は増すばかり。それでも気持ちに緩みがないのは、最大の敵が身内にいるからだ。「サトノインプレッサのNHKマイルCは、ファンには申し訳なかったけど競馬をしていない。だからダービーにつながったと思ってほしい」

 昨年は僕も取材者として反省をした。断然人気のサートゥルナーリアばかりを取材して、同じ角居厩舎のロジャーバローズが手薄になった。結果はご存じの通り。今年の矢作厩舎の状況はよく似ている。「今はソエも治まっているね。とにかく馬っぷりはコントレイルより良い。ノーチャンスというレベルの馬じゃない」と買い気をそそる。

 きっとコントレイルが他厩舎の馬なら、もっと景気のいい言葉が飛び出していただろう。ダービー乗り替わりの悲劇も昨年の教訓だが、初騎乗となる坂井瑠星に関しては「瑠星なら癖を知っているし心強い」と意に介さない。コントレイル以上とは言わないが、コントレイルに恐れをなしていないのもサトノインプレッサの矢作先生だけだった。

 本線は馬連。3連単はサトノ頭で買う。Iさん、ささやかなご恩返しです。ご笑納ください。

◎サトノインプレッサ
○コントレイル
▲アルジャンナ
△サリオス
△ディープボンド

【プロフィル】きょくどう・なんおう 講談師。マイケル・ジャクソンの自伝を読んで講談師の道を決意。演目は競馬、MJの他に「五代友厚」をシリーズ化。毎週日曜7時~ラジオ関西「旭堂南鷹の今昔なにわ物語」出演中。夢はグラミー賞朗読部門。