【日本ダービー】コントレイル 人智超越したスピード持続力&瞬発力で無敗2冠へ

2020年05月29日 21時04分

コントレイルの頭上には見事なうろこ雲が…

【日本ダービー(日曜=31日、東京芝2400メートル)新バージョンアップ作戦】1番人気確実な4戦無敗馬コントレイルに付け入るスキはないのか?「1強ムード」で支配的な第87回日本ダービーだが、新VU作戦の明石尚典記者も圧倒的な能力差から、詭道の予想は無意味の結論。オークスに続く無敗の2冠馬誕生を強く支持した。

 レースレコード(12ハロン=2分22秒8)の更新まであるとみていたオークスがまさかの2分24秒台。想定外の低速決着に対する評価はひとまず横に置いて、まずはレース当日の馬場レベルを振り返っておきたい。直前の3勝クラス・フリーウェイSのVタイムが7ハロン=1分19秒7。コースレコード(1分19秒4)にコンマ3秒差の高速決着なら、開催終盤に入って馬場レベルが急激に悪化したとは考えにくい。むしろ、例年以上の高速馬場は健在といったところか。

 2017年に生を受けたサラブレッドの頂点を決めるダービーも、絶好の馬場コンディションのままゲートオープンを迎える可能性が大。選び抜かれた精鋭たちによるタイムトライアルとなれば、おいそれと伏兵に手を出すわけにはいくまい。

 弥生賞3着のオーソリティが青葉賞を、皐月賞2桁着順のビターエンダー、ディープボンドがプリンシパルS、京都新聞杯を制したことで浮き彫りとなった3歳牡馬クラシック路線の序列。個別のレースレベルを抜きにしても、ステップレースで壁にはね返されたニューカマーに食指は動かない。軸選びは素直に王道の皐月賞組から。シンプルに能力を比較すれば、再び◎コントレイルという結論に達する。

 世代の頂点を狙うような馬にとって、類いまれな潜在能力を秘めていることは大前提。その才能を開花させるための成長力こそが、山頂到達への最重要ポイントとなろう。

 コントレイルがGIホースの仲間入りを果たしたのが昨年のホープフルS。冬場の中山とあってVタイム(10ハロン=2分01秒4)こそ目を引く数字ではないものの、前3ハロン→中間3ハロンはともに36秒5と一切緩みのない流れ。この時期の2歳馬にとって相当にタフな展開で、ラスト2ハロンが11秒9→12秒5。0秒6もラップを落としながらの完勝劇は、一枚上のスピード持続力があってこそなせる業だ。

 翻って、ぶっつけで挑んだ皐月賞。前3ハロン35秒6→中間3ハロン37秒1と今度は息の入る流れで、ラスト2ハロンの落差も0秒3にとどまった(11秒8→12秒1)。自身の前半ラップはホープフルSからほとんど変化がなく、上がりだけが35秒8から34秒9へと大幅に短縮。第1冠に関しては瞬発力の差でねじ伏せたとみるのが妥当な評価と言えよう。

 2着サリオスとはわずかに半馬身差も、自身ラスト7ハロンは相手の1分24秒2を凌駕する1分23秒2。加えて自身上がりで0秒5のアドバンテージとなれば、スピード持続力、瞬発力の両面でレベルの違いを見せつけたとしていい。

 末恐ろしいのはこの2戦が「ベストの舞台とは思えない」と矢作調教師が公言する中山10ハロンだということ。9ハロン=1分44秒5(東京スポーツ杯2歳S)の超速レコードを叩き出した府中で、どこまでパフォーマンスを上げてくるのかは想像がつかない。オークスでデアリングタクトが無敗の2冠を達成したのは記憶に新しいところ。コントレイルがその波に乗ることを阻むものは、もはや何も見当たらない。