【日本ダービー】智将・中村均元調教師「サリオスが短期間で激変!本来の姿が見えてきた」

2020年05月27日 21時31分

サリオスはライバルのサトノフラッグ(奥)とニアミス? 大一番らしい緊張感が漂っている

【日本ダービー(31日=日曜、東京芝2400メートル):集中連載「中村均元調教師 令和2年のロジャーバローズを探せ!(2)】稲富菜穂:中村先生、昨日おっしゃっていたサリオスの気になる点ってなんですか? 

 中村均:以前から走りがどうかなと思っていてね。どちらかというと突っ張って走るタイプで、前の出があまり良くない。こういう走りをするのは大体スプリンターかマイラーに多いんだよ。だから2400メートルの距離に対応できるのかな、と。

 旭堂南鷹:コントレイルの矢作先生は皐月賞で初めて手合わせした印象を「正直に言えば、想像通りに強かった」とおっしゃっていました。直線に向いた時、コントレイルが楽勝すると思って見ていたんだそうです。それがわずか半馬身差ですから。

 中村:あれは昨日も言った通り、通ったコースの差も大きかった。

 旭堂:そうなんです。矢作先生も「改めて見れば、通ったコースがだいぶ違っていたし、待ち構えられていたからね」って。

 稲富:でも、サリオスってそれまでマイル戦ばかりを使っていた馬ですよね。初めての2000メートルであの競馬。やっぱり強いんじゃないですか?

 旭堂:さすが一部で稲富“美浦”と言われる関東馬好きだけあるわ(笑い)。矢作先生が言っていたのもそれ。初めての中距離戦であの競馬をしたことで「経験という意味では、上積みは向こうが大きいだろうな」と。

 稲富:一部って南鷹さんだけでしょ! 私はバリバリの“関西班”ですから。

 中村:まあまあ。ただね、ちょっとびっくりしたことがあったんだ。この中間、サリオスの馬体写真を見たらすごく良くて。前はどちらかというとゴツゴツした印象だったんだけど、全く違っていた。別馬かと思ってしまったよ。

 稲富:そんなに短期間で形が変わることってあるんですか?

 中村:レースを使うごとに筋肉が付いて、余分なものが取れ、体が締まってきたということなんだろうね。で、この馬本来の姿が見えてきた。当初はサリオスの評価を思い切って落とそうかと思っていたんだが…。そうもいかなくなった。

 旭堂:皐月賞の時にヴェルトライゼンデで対戦した池江先生も、サリオスのことはかなり評価してましたよ。「あのペースで行って、あそこまで踏ん張るんだから強いよ」と。皐月賞のレースを見た限りでは「上位の2頭が抜けていた」とおっしゃってました。

 中村:サリオスはあれで脚がもっと伸びるようになったら文句なしだよ。今のところ、私の見解も池江君と同じ。コントレイルとサリオスの2強。その後ろとはだいぶ差があるんじゃないか。

 稲富:えっ? ロジャーバローズみたいな穴馬は? 私、新型コロナの影響で仕事が減って…。先生に激走馬を教えてもらって、もやし生活からすしざんまい生活にグレードアップさせたかったのですが…。

 旭堂:醜いなぁ(笑い)。大好きな手堅い“公務員馬券”につぎ込めばええやん。

 稲富:いやいや、2強でチャンチャンなら、それこそ、この連載終わっちゃいますよ!

 中村:ただ、2強が崩れる可能性がゼロというわけじゃないよ。ダービーというのはホースマンの誰もが一番の目標にするレース。鬼気迫る仕上げが、生涯一のデキをつくり上げることがあるんだ。私が現役時代に出走させたボールドエンペラー(1998年=14番人気2着)がまさにそうだった。

 旭堂:その生涯一のデキに仕上がった馬、どうやって見つけるんです?

 中村:それは、旭堂さん…いろいろ電話取材してくれる? 池江君とか、和田ジョッキーとか、仲がいいだろ。

 旭堂:え~っ! こき使いますね、家臣を。