【日本ダービー】違いの分かる男“智将”中村均元調教師の「穴理論」

2020年05月26日 21時33分

パソコンも2台駆使してオンライン軍議を開いた智将・中村均元調教師

【日本ダービー(31日=日曜、東京芝2400メートル):集中連載「中村均元調教師 令和2年のロジャーバローズを探せ!(1)】ド肝を抜く「★」を再び――。昨年の日本ダービー企画「令和のボールドエンペラーを探せ!」で、自身が管理し、1998年ダービーで14番人気2着に激走したボールドエンペラーの再来として、見事に勝ち馬ロジャーバローズ(12番人気)を奇襲印「★」で指名した東スポ競馬評論家の智将・中村均元調教師。その確かな眼力に、今年のダービーも出陣願おう。新型コロナウイルスの影響でトレセン闊歩が難しい状況を踏まえ、智将がひねり出した策は、本紙競馬確定面でコラムを掲載中の講談師・旭堂南鷹と競馬界の女神・稲富菜穂を“家臣”に従えたオンライン駆使の徹底軍議。その題目はもちろん「令和2年のロジャーバローズを探せ!」だ。

 稲富菜穂:今年もやってきました! ダービー! 無観客なのは残念ですが開催があるだけでもありがたいっ。競馬の祭典なんで盛り上がっていきましょー。

 旭堂南鷹:中村先生が打ち込んだ衝撃の★ロジャーバローズからはや1年かあ。あの★には角居フリークのボクもびっくりしました。

 中村均:フフ。馬体の雰囲気も良かったし、当たった枠(1枠1番)も最高だったからね。角居君に取材した感触でも、しっかりデキがいいことは伝わってきた。自分で言うのもなんだが、会心の一撃だったな。

 稲富:おぉ。さすが、現役調教師時代にボールドエンペラーでダービーの大穴を出しただけのことはありますっ。今年も先生の「★」期待してますよ。ワクワク。

 中村:ハハハ。まあ慌てないで。穴馬が激走するということは人気馬の凡走と表裏一体。まずは上位馬の“審査”から始めようじゃないか。

 旭堂:となるとコントレイル?

 中村:そうだ。私の見立てでは皐月賞は“圧勝”。抜けて強い競馬を見せていたからね。

 稲富:2着のサリオスとは0秒1差でしたけど、あれも圧勝なんですか?

 中村:サリオスとは通ったコースが全然違う。普通ならあの競馬でGIは勝てないよ。能力が違ったということだ。

 稲富:では、今年はロジャーバローズはいないということ?

 中村:いや、ディープインパクトだってアーモンドアイだってデキが良くなければ勝てない。それが競馬。だから、コントレイルの状態はチェックしなければいけない。

 旭堂:で、ボクに矢作先生の電話取材を依頼されたということですか。

 中村:そうだ。今年のヴィクトリアマイルで矢作君はラヴズオンリーユーについて完調ではなく85%だと言っていた。普通なら状態がいいと言ってもおかしくないんだ。それを正直に言う。さすがはファンを大事にする調教師だと思ったよ。

 稲富:実際にレース(7着)では本来の走りが見られませんでした。

 中村:矢作君の言葉は非常に信頼できる。だから状態の良しあしを旭堂さんにじかに聞いてもらいたかった。

 旭堂:矢作先生は常々「応援してくれるファンがいるから、ちゃんと伝えたいと思っている」とおっしゃっていますからね。

 中村:で、実際に取材してみてどうだった?

 旭堂:すごく良さそうでしたよ。先生は「ヴィクトリアマイルの時のラヴズオンリーユーとは違うよ」とおっしゃってました。

 中村:ふむふむ。距離については?

 旭堂:「本質的に2000メートルがベストという考えに変わりはない。ただ、ダービーが2400メートルということをわかって調教はしてきているし、仕上げ過ぎず、テンションを上げ過ぎないようやってきている」と。

 中村:それがうまくいっているということだね。

 旭堂:はい。「ホープフルS、皐月賞と経験を積んで、心配していた折り合い面の課題はクリアしてくれている。狂いなくやれているし、レース当週の追い切りや当日の馬体重、パドックの気配が目に見えて悪くなければ、いい状態だと思ってくれていい」とはっきりおっしゃっていました。

 中村:旭堂さんの感触はどう? 今まで話を聞いてきた中での順位付けじゃないけれども。

 旭堂:これまで東スポ動画も含めて何度か取材してきましたけど、今回が一番いいと思います。ホープフルSの時、矢作先生は「まだ凱旋門賞というタイプではない」とおっしゃっていたんです。それをボクは欧州の2400メートルを克服するまでの力はないんだ、と受け取りました。でも、今はそういう不安がすべて払拭された。そう思わせるぐらい自信に満ちあふれていました。

 中村:そうか! 矢作君がそこまで手応えを持っているのなら、もう本命は決まりだな。

 稲富:えっ? この連載がもう終わっちゃう。

 中村:ハハ、冗談だよ。でも、競馬の穴馬は何も1着馬だけのものじゃないだろう。ボールドエンペラーだって2着に入って大穴になったんだ。

 旭堂:ということは、ヒモ荒れの可能性もあるということ?

 中村:実はもう一頭のGI馬サリオスについてちょっと気になっていることがあってね。

 稲富:聞きたいです!

 中村:それは…明日話そうじゃないか。

 旭堂&稲富:もう!

【昨年の日本ダービーで「身内に敵あり!」でお見事】衝撃の大ヒットとなった昨年の日本ダービー企画「令和のボールドエンペラーを探せ!」。本紙競馬評論家の中村均元調教師が、栗東トレセンをくまなく取材した結果、その勢力図を関ヶ原の戦いになぞらえ、徳川家康=◎サートゥルナーリアにしたものの…。「ダービー史上最大の裏切り劇」が起こる可能性も指摘。「身内に敵あり」と看破し、サートゥルナーリアと同じ角居厩舎の伏兵ロジャーバローズに奇襲印「★」を進呈した。これが12番人気で快勝し、ズバリ“的中”。激走馬を射抜くプロの確かな目に、競馬サークルに衝撃が走った。先週のオークスでは7番人気のウインマリリンに敢然と★を打って2着。今週ももちろん目が離せない。