【オークス】デゼル “超”瞬発力でキャリア史上最速Vへ

2020年05月22日 21時03分

無傷のV3での戴冠を狙うデゼル

【オークス(日曜=24日、東京芝2400メートル)新バージョンアップ作戦】史上2頭目の、無敗での牝馬2冠制覇の大偉業に挑むデアリングタクトに注目が集まる第81回オークス。ただ、底知れない無敗馬はほかにもいる。新VU作戦の明石尚典記者は桁違いの末脚で2戦2勝の◎デゼルで勝負。こと瞬発力でこの馬の右に出る馬はいない。

 桜花賞の2着馬レシステンシアがNHKマイルCで2着入線。惜しくも栄冠に手が届かなかったとはいえ、桜の舞台から一変の高速決着(Vタイム1分32秒5)でも結果を残したあたりは、GIホースの矜持といったところだろう。

 牡馬を含めた世代トップクラスの能力の持ち主である2歳女王を一蹴したのがデアリングタクト。2冠達成間違いなしというムードが漂うのもうなずけるのだが…。桜花賞はあくまで雨中の重馬場での結果。パンパンの良馬場のガチンコ勝負でねじ伏せたわけではない。過去10年で〈7・3・2・1〉と最速上がりをマークした馬がVへの最有力となる樫の舞台。このデータを優先するなら、◎デゼルで大勢逆転のシーンを描くことができる。

 スイートピーSは1991年創設。オークスでの馬券絡みはわずか3例と連動性は低いものの、2006年カワカミプリンセスが優勝。昨年のカレンブーケドールが2着(07年2着のラブカーナは3着)なら、決して無縁のトライアルとも言い切れない。

 06年は前後4ハロン48秒3→47秒7のMペースで、ラスト2ハロンが合計23秒5(11秒5→12秒0)。昨年は50秒1→45秒3のSペースで、22秒3(10秒9→11秒4)と全く質が異なるが、これは時代の流れに伴う競馬そのもののトレンドの変化によるもの。前後差がイーブンに近いタフな流れ、あるいは究極に近い瞬発力勝負なら、本番につながる可能性ありと判断できる。

 今年は前後4ハロン48秒6→46秒0。ラスト2ハロンは10秒9→11秒2=22秒1と前年を上回る高速ラップを刻んでいる。自身上がり33秒1で後続の追撃をクビ差退けたカレンブーケドールと、32秒5の最速上がりで悠々と突き抜けたデゼル。総合力の評価は別にしても、瞬発力のカテゴリーでどちらに軍配が上がるかは一目瞭然だ。

 前日の2勝クラス・秩父特別のVタイムが8ハロン=1分32秒3。高速馬場の恩恵を指摘する声も上がるだろうが、昨年も同日の3勝クラス・晩春Sがレコードにコンマ1秒差(7ハロン=1分19秒5)の高速決着。馬場レベルはほぼ互角となれば、両馬の瞬発力の差がさらに際立つ。

 デビュー71日目での戴冠となれば、これまでの記録を塗り替える史上最速。当然、そのハードルはかなり高いものになるものの、ここまでの蹄跡から快挙達成の可能性は十分。デビュー3戦目で桜冠奪取の天才少女を、さらに上回るスピードで追い越すことができるか。府中の直線で繰り広げられるガチンコ勝負から目が離せない。