【オークス】デアリングタクト2冠へ 杉山晴調教師は「ウオッカ級」を確信

2020年05月20日 21時31分

無敗での2冠制覇の偉業に挑むデアリングタクト

【オークス(日曜=24日、東京芝2400メートル)得ダネ情報】牝馬クラシック第2冠・オークスの主役はもちろん、次元の違う競馬で桜花賞を制した3戦無敗のデアリングタクト。初の東上、距離延長など課題は決して少なくないが、史上2頭目となる無敗での桜花賞&オークス制覇に向けて、陣営の確信に揺るぎはない。

「新馬戦をゆったりと走った後だったので、ペースやメンバーを含め、どうなのかなと思っていたけど、スピード決着にも対応できましたからね。少し言い過ぎかもしれないけど、すごい馬だという自信が確信に変わったレースでした」

 杉山晴調教師がこう振り返るのはデビュー2戦目のエルフィンS。道中は後方に位置しながらも、直線では大外から桁違いの末脚で4馬身突き抜けた。2007年のエルフィンSを制したウオッカの走破時計より0秒1速く、上がり3ハロンは同タイム。しかもラスト1ハロンは追うところがなかった。それこそウオッカ級の馬だと師が感じるには十分な内容だ。

 その確信をさらに深めたのが前走の桜花賞。スマイルカナ、レシステンシアの2頭が集団を引っ張り、4角では後続を離しにかかる。好位組が伸びを欠く中で、前回に続いて大外から前2頭を一気に抜き去った。

「向正面でゴチャついた時に(鞍上が)とっさに位置を下げた判断が素晴らしかった。前向き過ぎてかかる面があるので、道中でリズム良く運べたのは大きかったよね」

 杉山晴調教師は松山の好騎乗への賛辞も忘れなかったが、終わってみれば一頭だけ別次元の強さを再び見せつけた。エルフィンSは高速決着、桜花賞はタフな重馬場。対照的なレースを軽々とクリアしての連勝に、一時は日本ダービー挑戦プランも持ち上がったほど。もはや牝馬2冠を阻むものなど何もない?

「エピファネイアの血が強く出ている馬なんだ。桜花賞でも行かせようとしたらかかっていたし、いかに折り合いをつけるかがカギ」と杉山晴師。父エピファネイアは皐月賞、ダービーでは前向き過ぎる気性が影響して、ともに2着に敗れている。娘の2冠への課題は父から受け継いだ気性面のコントロールとなろうか。

「一戦ごとに気持ちが高ぶるのが早くなっているので、もう少し馬に遊びが欲しいんだよね。そういう意味ではコンスタントに使える馬じゃないんだけど、体力がついたのか、前走であれだけの脚を使ったのに、中間の回復は早かった。1週前追い切りはスムーズに折り合いがついたので、今のところは特に不安な点はないかな」

 リラックスさせることに主眼を置いて、その課題はクリアしつつある。

「競馬に行くと、数字よりも体を大きく見せて1・5倍くらいに膨らむ。オンに入った時の走りがそれなんだ。稽古での体の使い方は目立たないんだけど、返し馬では一気に変わる。切れがあって、スピードが止まらず、最後まで加速するイメージですね。正直、2400メートルは分からない要素もあるけど、これで負けるなら仕方ないと思えるくらい、納得のいく状態で送り出せれば」

 デアリングタクトが無敗での2冠制覇となれば1957年のミスオンワード以来、実に63年ぶり。その大偉業達成の瞬間は見逃せない。