【天皇賞・春】瞬発力と持久力を兼ね備えたユーキャンスマイルに新ヒーロー誕生の予感

2020年05月01日 21時04分

大一番へ向けて、無駄肉なしに仕上がったユーキャンスマイル

【天皇賞・春(日曜=5月3日、京都芝外3200メートル)新バージョンアップ作戦】最強ステイヤーを決める第161回天皇賞・春はGI馬が2頭と少々寂しい陣容。長距離特有の展開をじっくりと見据えた上で、瞬発力&スピード持続力勝負と判断した新VU作戦の明石尚典記者はユーキャンスマイルに◎。新型コロナウイルス禍でスッキリとしない古馬戦線にニューヒーローが誕生する。

 伝統も権威も国内トップクラスのGIながら、タイトルホルダーはキセキ、フィエールマンの2頭だけ。いささか寂しいメンバー構成となった今年の春の天皇賞だが、この事実こそが国内長距離戦の地盤沈下を何より雄弁に物語るとは言えまいか。

 開催中止の憂き目に遭ったドバイWCデー、10ハロンの大阪杯に主要メンバーを奪われつつある現状など、不確定要素満載の長距離戦であえて格にこだわる必要性は皆無。GIホース2頭の地力は認めつつも、新たなスター誕生のシーンに一票を投じてみたくなる。

 国内GI最長を誇る16ハロンの長丁場だけに、展開を読み切るのは至難の業。それでも少なからずレースのイメージを膨らませておくのは必要不可欠な作業だ。先導役はキセキ、スティッフェリオ、ダンビュライトの3択。いずれも控えてOKのタイプだけに、玉砕覚悟のハイラップを刻む可能性は低い。

 昨年は前後4ハロン47秒6→46秒2に対して、中間8ハロンが1分41秒2と中だるみの大きいラップ構成。一昨年も中間8ハロンは1分40秒超となれば、この区間はもはやあってないようなもの。実質的には9~10ハロンの決め手比べ。そう割り切ることこそが的中へと導く最善のスタンスと言えよう。

 軸指名は瞬発力にスピード持続力を兼備したユーキャンスマイル。菊花賞3着、ダイヤモンドS完勝と長丁場で結果を残しながらも、昨年の新潟記念を10ハロン=1分57秒5の高速時計で勝利。自身33~36秒台の幅広い上がりで連絡みと、条件に左右されない走りは特筆に値する。

 前走の阪神大賞典はラップ3分割62秒6→60秒3→60秒1と中だるみの一切ないラップ構成。同じ阪神大賞典Vから連勝を決めた2018年レインボーラインと比べてみると、そのハイレベルぶりが如実に浮かび上がってくる。

 18年は中間5ハロンが63秒3とたっぷり息の入る展開ながらも、ラスト2ハロンは今年と全く同じ12秒0→12秒5。同じ上がり(ともに最速35秒8)でもレインボーラインとユーキャンスマイル、どちらのはじけ方がすごかったかは一目瞭然だ。

 ハイレベルな前哨戦をあっさり抜け出した瞬発力&スピード持続力は、まさに今が旬を裏付けるもの。3、5、4、5着と惜敗続きのGIステージ。その先にある絶景を望むなら、ひと皮むけた今しかあるまい。