【フローラS】遅れてきた大物レッドルレーヴ 悲運の母の思い胸に樫の舞台へ

2020年04月21日 21時31分

僚馬を引き連れて美浦トレセンを闊歩するレッドルレーヴ。いよいよ本領発揮だ

【フローラS(日曜=26日、東京芝2000メートル=2着までに5・24オークス優先出走権)dodo馬券】今週末から東京開催がスタート。3歳クラシック戦線も佳境に入る。日曜メインはオークスのトライアル第1弾・GIIフローラS。桜路線とは趣の違った中長距離志向の強い好素材の牝馬たちが果たしてどんな戦いを繰り広げるか。当欄は名門・藤沢和雄厩舎が送り込む良血レッドルレーヴに注目した。

 毎年数多くの素質馬を送り出す美浦の藤沢和厩舎だが、今年の現3歳世代は牡馬4頭で5勝を挙げたのに対し、牝馬は9頭で延べ11勝。実にダブルスコア以上の牝馬の当たり年と言える。もっとも2勝したのはGIIIシンザン記念勝ちのサンクテュエールとオーロラフラッシュだけ。重賞は牡馬を含めても前者だけで、昨年の桜花賞馬グランアレグリアや、レイデオロとソウルスターリングで3歳頂上決戦を制した2017年春のような傑出馬は見当たらない。

 粒揃いではあるものの、果たしてGI級の大物が出ないまま春シーズンを終えるのか? いや、そんなはずはない。遅れてきた大物――それがレッドルレーヴだ。

 新馬戦(2着)→未勝利戦(1着)と芝2000メートルを使ってきたように当初から中長距離志向の高かった同馬。前走のGIIIフラワーCは距離を詰めての一戦で大外枠。しかも3角過ぎに後続が早めに押し上げてきた。リズムに乗り切れない展開も重なって、スムーズに先行した勝ち馬をわずかに捕らえきれなかった。

 津曲助手は「後続が来て動かざるを得なくなりましたからね。それでもロスがありながら最後はよく伸びてくれました。惜しい競馬で力は見せてくれたと思います。距離が1ハロン延びるのはもちろん問題ないし、東京のほうが持ち味が生きますね」とムードは上々。「中間は在厩で調整していますが、コンスタントに使ってきた馬だから強い調教はもう必要ない。変わらず順調に来ています」と体調面も文句なしだ。

 東京2000メートルでの新馬戦はフィリオアレグロ(次走のGIII共同通信杯は3着)に0秒1差まで迫る2着で、3着には1秒0の大差をつけた。負かした中には6着にサトノフラッグ(弥生賞ディープインパクト記念V、皐月賞=5着)がいたし、ほかにも3頭が勝ち上がっている。決してレベルは低くない。フラワーCで0秒3負かした3着シーズンズギフトが次走のGIIニュージーランドT・2着も評価の対象になるだろう。

 同馬の母ラストグルーヴはセレクトセール(11年1歳)で3億5000万円の高値で取引されながら、現役生活は1戦1勝で終わった名牝エアグルーヴの直子。「血統的な魅力の大きい馬だし、まだ3回しかレースを使っていないですからね。暖かくなってもっと良くなりそう」と同助手。悲運の母の思いも胸に、樫の大舞台への切符をここでつかみ取る。