【アンタレスS・後記】8歳で重賞初Vウェスタールンド 磨き上げた末脚でビッグタイトル視界に

2020年04月20日 21時30分

8歳でも衰え皆無のウェスタールンド(左)は直線一気の鬼脚で重賞初制覇

 19日のGIIIアンタレスS(阪神ダート1800メートル)は、3番人気のウェスタールンド(セン8・佐々木)が4角13番手から豪快な差し切りV。8歳のベテランがデビューから約5年8か月で苦節の重賞初制覇を飾った。

 5ハロン通過61秒1は脚抜きのいい馬場状態を考えると遅い部類。そんな中でも、ウェスタールンドは離れた後方2番手の“マイポジション”をキープした。3角過ぎから進出を開始すると、そこからは一頭だけ違う勢いで、みるみる前との差を縮め、その勢いのまま一気に突き抜けた。

「後ろに下げてこの馬のスタイルを貫いた。うまく息が入れられたし、あとはどこまで来れるかと思っていました」と藤岡佑。喜びを爆発させたのは佐々木調教師で「(藤岡)佑介らしい決め乗りだったね。このペースだから前残りになっても仕方ないと思っていたけど、上がっていく時の脚にはちょっとビックリした。メンバーも揃っていた中でなかなかできない勝ち方だったね」とまくしたてた。

 爪の不安での長期休養もあった中で、去勢手術、芝→ダートへの路線変更など、試行錯誤しながら馬と向き合ってきた陣営だけに、初タイトルの喜びはひとしおだ。

「牧場では一番悪さをする馬だったんだけど、去勢の効果もあってそういうことはしなくなった。状態は良かったし、スタッフがうまく仕上げてくれたね」とトレーナーは気性面の成長と厩舎スタッフをたたえることも忘れなかった。

 先行力とパワーが重視されがちなダート界で、末脚を磨きに磨き上げて「魅力的なスタイル」(藤岡佑)を貫いたことも今回のタイトルにつながったことは間違いない。今、これだけの決め手を持つダート馬が果たしてどれだけいるか?という意味でも、今後のダート路線をにぎわせる魅惑的な存在だ。

 今後については「なかなかいいレースがないからね」と佐々木調教師は明言を避けたが、その一方で「帝王賞(6月24日=大井ダート2000メートル)かな?」とも。8歳にして初重賞を手にしたウェスタールンドだが、陣営は早くも次のビッグタイトルを視界にとらえている。