【皐月賞】武豊&マーフィーが認めた「第3の馬」サトノフラッグのポテンシャル

2020年04月15日 21時34分

アーモンドアイ、アパパネらのGI勝利プレートが並ぶ壁の上から顔を出すサトノフラッグ。新たに名を刻む時はもう間もなくだ

【皐月賞(日曜=19日、中山芝内2000メートル)POGマル秘週報】競馬の常識は近年、大きく変わった。今や前哨戦をスキップするのは当たり前。第80回皐月賞に出走するホープフルSの覇者コントレイル、朝日杯FSの勝ち馬サリオスに対して、「ぶっつけだから不安」とするのは、もはやヤボ? ただし、その信頼はあくまで圧倒的なポテンシャルの裏付けがあってこそだ。では距離を絞って順調に使われ、なおかつ王道トライアルを制した馬が、GI馬2頭にも劣らないポテンシャルを持っているとするなら…。「第3の馬」にとどまらない、より安心、安全な本命馬になり得る――。

 デビューから無敗のまま昨年暮れのGIを制したコントレイルとサリオスの直接対決に最大級の注目が集まる今年の皐月賞。近年は馬の気性や輸送を考慮しての「ぶっつけローテ」に違和感がなくなりつつあるとはいえ…。少なくともプラス材料と捉えられるほど、記者の頭はまだ柔らかくはない。古いタイプと言われようとも、準備を周到に積んできた馬につい目がいってしまうのが正直なところだ。

 デビューからの4戦すべて皐月賞と同じ距離2000メートルを使われ、あの3冠馬ディープインパクトも制した王道トライアル・弥生賞(今年からディープインパクト記念がレース名に付記)を制した馬といえば…。そう、サトノフラッグだ。今年はこの“第3の男”の可能性に賭けてみたい。

 サトノフラッグの器の大きさを最初に世に発信したのは未勝利戦→1勝クラス連勝時に手綱を取ったマーフィーだった。いわく「自分が今までに乗った中ではトップクラス。ダービーに行くべき、いやダービー(制覇)を意識できる馬だね」。

 未勝利勝ち時にマークした1分59秒5は東京芝2000メートルの2歳レコード。そして東京芝1600メートルのそれはサリオス(1分32秒7=サウジアラビアRC)、芝1800メートルはコントレイル(1分44秒5=東京スポーツ杯2歳S)がレコードホルダーだ。この巡り合わせこそが「2強」ではなく、“3強”を示唆するものなのかも…。もちろん、管理する国枝調教師も期待の程を隠さない。

「心技体が揃ってきたのがいいね。使いながらどんどん常識にかかってきて、トータルで良くなってきた。弥生賞の時に比べても迫力が出てきたし、とにかく元気いっぱいだよ。前走は(騎乗した武)ユタカが高い評価をしてくれたのが一番。あんな競馬が本番(皐月賞)でもできたら…と期待しているんだ」

 では大一番に向けての不安材料は? 初コンビを組むルメールが、調教で騎乗できないことを挙げた(コロナ禍で東西間の騎手の移動が極力制限されているため)。

「調教で乗って“こんな馬か”って分かっていれば、レースでは初めてでも対応できる部分は多くなるからね。まあ(調教で)乗れないのは仕方のない状況だから“ビデオをよく見ておいてくれ”と伝えるよ。それと“オイシン(マーフィー)ともよく話をしといてくれ”ってね(笑い)」

 裏を返せば、ルメールが調教でコンタクトを取れないこと以外、何も不安は感じていないとも取れようか。

 コントレイル、サリオスの対GI馬2頭については「勝ちっぷりに加え、時計もハイレベル。ただ、こっちはトライアルを使って、順調にこれたから。勢いと成長度で、どれくらいやれるか」。

 現状、挑戦者の立場に変わりはない。とはいえ、若き名手・マーフィーが早くからその才能を見抜き、数々の名馬を育ててきた国枝調教師が“馬自身に不安はない”とする逸材。鞍上もテン乗りとはいえ、大舞台で最も信頼できるルメールとなれば…。むしろ「GI馬2頭に肉薄できない理由がない」と感じてしまうのは、決して記者だけではないはずだ。