【中山グランドJ】オジュウチョウサン 前人未到5連覇へ9歳にしてさらに進化

2020年04月15日 21時30分

7つ目のビッグタイトル奪取が目前のオジュウチョウサン

【中山グランドジャンプ(土曜=18日、中山芝外4250メートル)特捜班】今週の大一番は皐月賞だけではない。その前日、18日にはJ・GI中山グランドジャンプ(芝外4250メートル)が行われる。混迷を極めるクラシックとは対照的に、ジャンプの世界は絶対王者に揺るぎなし。9歳を迎えても衰えどころか、いまだ進化を続けるあの怪物が、われわれを勇気づける快走を今年もまた見せてくれることだろう。

「想像以上です。いや~あれは誰も想像できないですよ」

 オジュウチョウサンが圧勝した阪神スプリングジャンプを、管理する和田正一郎調教師はそんな言葉で振り返った。

 約1年ぶりの障害復帰。その間に誕生した新たなスター候補との直接対決。前年の障害2戦がともに単勝1・1倍だったのに対して、1・7倍という“微妙”なオッズがファンの一抹の不安を表していたと言えようか。それでもフタを開けてみれば…。

「9馬身差、しかも、あの馬場(稍重)でレコードで走ってしまうんですからね」

 師の言う〝想像〟が5馬身差で勝つシーンだったのか、クビ差で勝つシーンだったのか、それとも負けるシーンだったのかは分からないが、いずれにせよ、あのパフォーマンスは想像をはるかに超えるものだった。

 レースでの圧倒的な走り、そして競走馬としての高いレベルの維持の源となっているのは〝闘争心〟。時には担当者すら「怖いくらい」と口にする気性の強さがあってこそのオジュウだ。とはいえ、前人未到の中山グランドジャンプ5連覇を狙うことは、つまりそれだけの時間が経過したことも意味する。一般的には衰えも心配されるが…。

「前走なんかはパドックでは気合を秘める感じになっていましたけど、馬場に出ると、やはり“すごいな”って気合乗り。9歳でも気持ちも体も衰えはありませんね」

 いや、衰えどころか、さらに進化している可能性すらある。前走で陣営が驚いたのはレコードや9馬身という数字の部分だけではない。

「落馬するような飛越はしない馬だけど、踏み切りがバラついたりすることはあった。それなのに前回は飛越もかなり安定していたんだよね」

 低い飛越で(外野の目には)危なっかしく見えることも時折あったが、確かに前走の飛越は安定感十分。平地挑戦など、さまざまな経験を積んだことで円熟味がさらに増している? これまでも歴史的な記録を積み重ねてきたが、もしかして、これからが障害馬としてのピークなのかも…。

 挑戦者たちの包囲網を打ち破って4連覇を勝ち取った昨年。その盛り上がりとは一転、今年は無観客での開催となる。

「前走の阪神もそうですが、今回もファンの方に(現地で)見てもらえないのは残念です」と師はファンを気遣いつつも、「今は競馬を開催できることを感謝したい」と。

 関係者の努力で競馬開催が継続され、ファンもまたオジュウの走り、そして偉業達成の瞬間を(画面越しとはいえ)堪能することができる。

「テレビ越しにはなるでしょうが、オジュウを応援していただければ」とは主戦の石神。勝負どころでオジュウが前を捕らえに動き、直線は後続をグングン突き放す――。その時、日本中のテレビの前で上がるであろう声援も背に、王者が王者たる走りで5連覇を決めてくれるはずだ。