【桜花賞・後記】デビュー3戦目Vデアリングタクト 不良馬場でも走行性能違う驚異の上がり

2020年04月13日 21時33分

デアリングタクトの背で“まず1冠”のポーズを取る松山。新怪物出現だ

 雨中の重馬場決戦になった12日のGI第80回桜花賞(阪神芝外1600メートル)は、松山騎乗の2番人気デアリングタクト(杉山)が直線粘るレシステンシアをゴール前でかわして勝利。1980年のハギノトップレディ以来、40年ぶりとなるデビュー3戦目での記録的Vを成し遂げた。泥だらけで牝馬クラシック第1弾をつかんだ今年の“桜”は、これからもっと咲き誇るのか…。レースを振り返るとともに、その将来を占う。

 レースの上がり3ハロンは実に38秒1。不良馬場で行われた1997年(勝ち馬キョウエイマーチ=1分36秒9)が37秒7だから、いかにタフな競馬になったか分かるだろう。そんな中で次位の上がりを0秒5も上回る最速上がりVだから、まさに勝ったデアリングタクトは走行性能が違った。

「ポジションはあまり意識しなかったんですが、馬のリズムを大事に乗りました。前とはかなり離れていましたけど、この馬なら届くと思って無我夢中で追いました」とは鞍上の松山。道中は中団後ろでじっくりと脚をため、いつでもフルエンジンをかけられるように早めに外に持ち出して直線ズドン。まさに馬の末脚を信じた確信の騎乗で、ゴール後に掲げた左手の“1冠”ポーズも実にカッコ良かった。

「心配していたゲートを五分に切れたのは良かったです。この馬場がいいほうに出るのか分からなかったですが、馬がよく頑張ってくれました。エルフィンSから間隔を取ったローテでしたが、うまく調整できましたし、関西圏の大きいレースを勝てたのはうれしいですね」と杉山晴調教師は初クラシック勝利をかみしめた。

 48年ハマカゼ、80年ハギノトップレディに並ぶ最少キャリア勝利(3戦目)は、それだけで大物の“相”だ。ハマカゼはその後、牡馬相手の菊花賞で2着し、ハギノトップレディは同年のエリザベス女王杯をV。同じ最短ルートで制した今年の勝ち馬も、タイトルは一つだけにはとどまらないだろう。あとは距離の融通性がどれだけあるかだが…。

「イレ込む面が課題だけど、折り合いさえつけば距離は問題ないと思います」と松山。なにより良馬場の1分33秒決着でも上がり最速V、泥んこ決戦でも同じく最速V…。この事実がただのスピード馬ではないことを如実に証明している。今後の3歳牝馬戦線は、この馬を中心に進む。