【皐月賞】サリオス初の二千に不安なし 鞍上レーンで鬼に金棒

2020年04月14日 21時32分

サリオスは朝日杯FSで2馬身半という圧倒的な着差で快勝した

 今週は注目度マックスの第80回皐月賞(19日=中山競馬場・芝内2000メートル)。無敗馬対決は過去のクラシックでも多々あったが、GI馬同士の全勝馬対決はそうないだろう。しかも、ともに昨年暮れからのぶっつけ参戦。3戦3勝のコントレイルとサリオス…ホープフルSと朝日杯FSの優勝馬の対決はどちらに軍配が上がるのだろうか?

 朝日杯FSの勝者が最優秀2歳牡馬の栄冠を手中にするのがこれまでの日本競馬の常道。それが覆されたのが昨年であり、それゆえサリオス陣営の驚きも相当なものがあった。ゆえに今年の当面の目標は皐月賞制覇。ここで未対決のライバル、コントレイルを下して真の世代王者をアピールすることだ。

 今年の1、2月はノーザンファームしがらきで英気を養い、美浦トレセンに帰厩したのが3月4日。坂路と南ウッドを併用して徐々に負荷を高め、2週前(2日)は古馬2勝クラスのヒシイグアスを、1週前(9日)は古馬3勝クラスのフォルコメンを脚力の違いで圧倒した。帰厩時には566キロあった馬体も徐々に絞れてきており、本来の豪快なフットワークが戻ってきた感じだ。

「朝日杯FSはレースレコードでした。今回は初めて体を一旦緩めて疲れを取ることに専念し、慎重に体の回復を見極めてから今年前半のローテーションを決めました。心肺機能はまったく落ちていないし、レースまでには無理なく仕上げられると思います」と堀調教師は順調な調整過程に満足げ。これまでの重賞2戦はともに休み明けでの勝利で、ぶっつけ本番の懸念はまったくない。

 残す課題は初めての距離、2000メートルへの対応だ。「もちろん、やってみないと分からないですが、これまでまたがった3人の騎手は『2000メートルまではもつ』と言っていましたし、おっとりとした性格なので距離への融通性はかなりあると思います」と指揮官は周囲の雑音をシャットアウトする。そもそも距離が延びてこそ真価を発揮するハーツクライを父に持ち、大きなフットワークからも決して短距離タイプではない。むしろ、戦力アップにつながる可能性は大だ。

 さらに鬼に金棒なのがデビュー戦でタッグを組んだダミアン・レーンが手綱を取ること。オーストラリアの若き英雄であり、昨年の有馬記念ではリスグラシューを圧勝Vに導いた中山マイスターだ。同国では現在、全国民の出国を禁止しているが、例外規定が適用されて先月30日に入国。大きなリスクを背負いながら今回の一戦に勝負をかけている。

 秋まで続くクラシックロードだが、ここが終着地であるかのような陣営の執念。先行馬をことごとく惨敗へ追いやった、朝日杯FSでのあの破壊的な走りが再び目撃できそうだ。