【桜花賞】高速決着に対応可能なレース巧者ミヤマザクラを主役に指名

2020年04月10日 21時04分

見事な桜を咲かせたいミヤマザクラ

【桜花賞(日曜=12日、阪神芝外1600メートル)新バージョンアップ作戦】絢爛豪華なメンバーとなったクラシック第1弾・第80回桜花賞。トライアルのチューリップ賞を中心とした王道路線組に注目が集まる中で、新VU作戦の明石尚典記者は“反主流”のミヤマザクラに◎。高速決着に対応可能なレース巧者を、今年の牝馬3冠初戦の主役に指名した。

 大阪杯は10ハロン=1分58秒4での決着。パンパンの良馬場としてはほぼ想定通りのVタイムだったが、前後5ハロン60秒4→58秒0とラップバランスは後半のほうが2秒以上速い想定外のスロー。前半の緩ラップを後半であっさり回収してしまえるあたりに、今の阪神の馬場レベルが透けて見える。

 桜花賞はズバリ、マイル1分33秒0を巡る攻防。レースレコード(1分32秒7=昨年)に近い高速決着を想定すれば当然、Vゴールへのハードルは相当に高くなる。アッと驚く伏兵の台頭を望むのは無謀。まずはそこを予想の出発点としたい。

 展開のカギを握るのは、やはり2歳女王のレシステンシアだろう。前後3ハロン33秒7→35秒2のハイラップを刻んだ阪神JFが5馬身差の大楽勝。一方、35秒1→34秒0のため逃げに転じたチューリップ賞は0秒2差3着敗戦。となれば、本番で取るべき策はおのずと限られてくる。ディープインパクト産駒のサンクテュエール、マジックキャッスル、リアアメリア、さらにウーマンズハート、クラヴァシュドール、デアリングタクト、マルターズディオサと切れ者がズラリのメンバーが、かつての“魔の桜花賞ペース”のような激流ラップでその切れ味を引き出せるかには一抹の不安が残る。

 そこで大きく浮上してくるのがミヤマザクラ。デビューからの3戦が9~10ハロンとオークスを意識した滑り出しも、前走のクイーンCではマイル戦にも一発回答。大逃げを打った馬のおかげで、東京マイルでは珍しい前後3ハロン34秒3→36秒3のハイラップを経験できたのも大きな収穫だ。

 同日の3勝クラス・雲雀SのVタイム比較(19年=7ハロン1分20秒7、20年=1分20秒8)から、馬場レベルは前年とほぼ同じ水準。Vタイムで0秒2、自身前後3ハロンラップ合計で0秒4遅いクロノジェネシスが桜花賞で1分33秒1=3着なら、一つ、いや二つ上の着順を望める下地ありと判断できる。

 クビ差退けたマジックキャッスルは、サフラン賞でチューリップ賞Vのマルターズディオサのクビ差2着。そこから測っても、王道ローテを歩んできた世代トップクラスとの距離感はみじんも感じない。

 世界中がどんよりとした空気に覆われている今だからこそ、トンネルの出口とも言うべき希望の光を見いだしたいところ。幽玄なるミヤマザクラが咲き誇るシーンを見たい――。そう願うのは決して当方だけではあるまい。