【桜花賞】レシステンシア チューリップ賞3着で判明した「負けパターン」とは

2020年04月10日 21時03分

復権へ向け、手応え十分な2歳女王レシステンシア

【桜花賞(日曜=12日、阪神芝外1600メートル)栗東トレセン発秘話】ギャンブルという側面だけを見れば、競馬は不要不急のものかもしれないが、ひとつの“産業”として考えたとき、経済活動を止めてしまい、業界の縮小を招く事態は避けないといけない。

 なぜ東日本大震災の直近開催週以外、競馬は開催中止に至らなかったのか? それは開催続行が「国民にとって有益」と判断されたためであり、緊急事態宣言が発令された今回もおそらくは同様の判断。JRAが捻出する巨額な国庫納付金は経済復興に大きな役目を果たすはずだ。競馬とそれを取り巻く産業は不要でもなければ、不急でもない――。遠くない未来のために、針を止めなかったJRAの決断を支持し、それが間違っていないことを示すためにも、競馬に携わる人間のモラルが重要になってくるだろう。これから先はトレセンで働く我々の問題だ。

「北海道にも行ってないし、外出は仕事と日用品の買い物のみ。食事の誘いも断っている」

 この発言の主は池江調教師。恒例のPOG会議も今年は中止になった。「申し訳ないけど、競馬を続けるためにも制約すべきところは制約しないといけないからね」という言葉を、取材する立場の記者も肝に銘じたい。

 不要不急の外出を避けるのはもちろん、競馬場などの勤務も必要最低限の人数に。大仲(厩舎の休憩室)などへの立ち入りも可能な限り避けたい。もちろん、そんな難しい環境でも、記事の質は落とさずに頑張っていくつもり。桜花賞、皐月賞と盛り上がるべきシーズンのために微力を尽くしたい。

 桜満開も期待できる今年の桜花賞。取材人数制限のため、トレセン常駐記者の半数以上がファンと同じ、テレビ観戦で見守ることになる。記者もその一人だ。なのでテレビ観戦のポイントをひとつ。注目はグリーンチャンネル(現在はBS無料放送中)の画面左上。ここに表示される通過タイムに目を配りながらの観戦を強くオススメしたい。

「前半3ハロンを35秒台で行く形ではダメなことがわかった。35秒台で逃げるのであれば、33秒台の2番手のほうが力は出せると思っています。ペースこそが大事であって、ハナを切るかどうかは枠の並び次第の面もありますから」とはレシステンシアの松下調教師。

 ハナに行くかどうかはわからないが(33秒台なら問答無用で逃げているはず)、とにかく最初の600メートル通過が33秒台ならガッツポーズだ。34秒台の前半でも似たような感覚でOKだろう。逆にそれより遅いときは、不安に顔をゆがめながら直線の攻防を見守ることになるかも…。

 当然、反レシステンシア派は逆の視点でOK。で、記者はといえば、サイレンススズカばりの逃げを強く熱望している。

 デビュー戦以来の手綱となる武豊に期待する部分は小さくないが、その初戦は松下調教師によると「調教の動きから大きな期待をかけていたけど、思っていたほどの勝ちっぷりではなかったんですよね。その後、使うごとに競馬の内容が良くなっていったことから、この馬は叩き良化型なのかな、と」。つまり「桜花賞前にひと叩きしたいと思っていた理由もそこにあるんですよ。今度は前走以上の状態で出せると思います」。

 ひと叩きが必要の発想からチューリップ賞に出走し、負けパターンが判明したことで、目指すべきスタイルも明確になったのだから、あの3着敗戦はレシステンシアのキャリアに必要なもの。そう信じてテレビの向こう側にエールを送りたい。