【桜花賞】武豊 競馬ファンへメッセージ「全力で騎乗し、少しでも楽しんでもらって勇気を与えたい」

2020年04月08日 10時24分

取材に応じた武豊(8日、朝)

 7日の政府による緊急事態宣言発令で、これまで以上に競馬界を取り巻く状況が厳しくなる中、今後のGIシリーズを含め競馬開催はどうなるのか? クラシック第1弾・桜花賞(12日=阪神芝外1600メートル)の追い切りが行われた8日朝、栗東トレセンで日本騎手クラブ会長の武豊(51)が競馬続行への決意を語った。

 緊急事態宣言が発令された翌日となる8日朝、日本騎手クラブ会長を務める武豊が栗東トレセンで取材に応じた。

「本当に今は大変な状況ですが、我々は競馬を通してファンに楽しんでもらえたらと思っています。そこに向けて全力で騎乗し、少しでも楽しんでもらって勇気を与えたい」

 不安が広がる中で一人のジョッキー、そして競馬界を背負う人間として改めて決意を語った武豊。4日には競馬の意義についても自らメッセージを発信している。

「競馬は大事な娯楽で、今は自宅でもテレビ、ラジオなどを通じて楽しんでいただけています。そのためにも競馬を提供していかなければならないという気持ちを強く持っています。我々、騎手だけでなく、競馬人の皆がそう思っています。こういう状況だからこそ、安全確保に努め、続けていかなければと思っています。また競馬の売得金の一部を国に納付させていただいているし、そういった面からも今こそ競馬の存在意義を感じています」

 こんな時だからこそ競馬を続けよう、いや、続けなければならないと強く訴えた武豊。

 ジョッキー、関係者の移動制限などを含め、さらなる万全策で競馬開催継続へ――。桜花賞ではレシステンシアに騎乗し、クラシック最年長優勝記録(51歳0か月14日)へと挑む“競馬界のレジェンド”が自らの手綱で日本中のファンへ希望を届けるはずだ。

【本紙担当の視点】いよいよ緊急事態宣言が7都府県に出された。これまで以上に我慢生活を強いられる中、競馬開催はどうなるのか。今後は監督官庁、各自治体からの指導要請を受け、近日中にJRAから正式発表されるだろう。

 実際、関係者からは「今、競馬ができているのは奇跡」「この状況の中で競馬をさせてもらえていることに感謝するばかり」との声が上がっているように、取り巻く状況は厳しいのが現実だろう。そこで、提言などと偉そうなことを言える立場ではないが、多くの方々に知ってもらいたいことをつづってみた。

 マスコミという立場から強制力がないことに甘んじて『何が何でも開催を続けろ』とは言えない。が、競馬業界の片隅に身を置く者としては、開催可能な要請である限りは続けてください、続けさせてくださいとお願いしたい。中止を余儀なくされている他競技、休業に追い込まれる方々から見れば甘いと言われるかもしれないが、調教師会、騎手会が一丸となってトレセン内外で感染防止に努め、馬主連合会も各馬主に対して来場の自粛要請を行っている。最も大切であるお客さんに対しても自制を求めての無観客開催ともなっている。

 JRA職員も関係者と接する検量室周りの業務には検温を済ませてから。今や、どの社会でも普通のことかもしれないが、考えられる防止策、やり得る防止策を取り、多くの関係者、ファンの自制の上に成り立っているのが現在の競馬施行。感染拡大のリスク減少という意味もあるが、観客なくしては興行として成り立たない野球やサッカーとは多少、違う側面があることをご理解いただきたい。

「こんな時に競馬なんて…」ではなく、「こんな時だからこそ、在宅で楽しめる俺の娯楽を取り上げないでくれ」。そう言われるような競馬を構築すべき時であり、その一端を担えるのなら記者としてはこれ以上喜ばしいことはない。(本紙担当・舘林勲)