【桜花賞】サンクテュエール藤沢和調教師 自信の根拠「カイバの心配なし」「自在の脚質」

2020年04月08日 21時32分

藤沢和ブランドのサンクテュエールには桜が絶妙にマッチする

【桜花賞(日曜=12日、阪神芝外1600メートル)特捜班】昨年のグランアレグリアに続く桜花賞連覇の期待がかかるのが名門・藤沢和厩舎所属のサンクテュエールだ。年明けのシンザン記念Vからの直行ローテは一昨年のアーモンドアイと同じ。鞍上には“検疫明け”のルメールも復帰し、盤石の構えで桜の女王の座をもぎ取る――。

 昨年のグランアレグリア以外にも、2004年にダンスインザムードで桜花賞を制している藤沢和調教師が、大一番を前に名前を挙げたのは、師にとって最初の桜花賞挑戦となった1999年のスティンガーだ。結果は1番人気に支持されながらも12着惨敗。前年の阪神3歳牝馬S(現阪神JF)を赤松賞勝ちからの連闘という常識破りのローテで制し、さらにそこからぶっつけで臨む異色のローテは、実にセンセーショナルな臨戦過程だった。

「スティンガーの桜花賞はゲートをくぐった時にスタートを切られてしまってね。休み明けでGIを使って、(周囲から)すごく怒られたし、いじめられた記憶しかないな(苦笑)。それなのにグランアレグリアで(同じ休み明けで桜花賞を)勝っても誰も褒めてくれないんだから…。でも、スティンガーも能力の高い馬だから(桜花賞を)勝てると思っていたんだ」

 ちなみに前年の阪神3歳牝馬S連闘参戦については「赤松賞は岡部で行って(ステッキで)叩かないで勝つことができた。しかも午後1時前の早い時間のレースだったから、夕方まで(東京競馬場で)待たされずに美浦に帰ることができたんだ。夕方だと中央道も首都高も混むからね。いろいろな負担が軽減されたことで連闘できた」。

 20年以上前に行われたレースの時間(正確には赤松賞は午後12時50分の発走)まで記憶しているのには驚かされる。そんな藤沢和調教師が若い牝馬の調整で一番難しいのは、カイバをあまり食べないことにあるという。

「今でこそグランアレグリアもガツガツ食べるようになったけど、クラシック、特に3歳春までは食べられなかった。年齢とともに食べられるようになるんだけど、とにかく若いうちはカイバの心配が大きい。だから勝ちたいからって強い調教をしてしまうと、そこで終わってしまうこともあるんだよ」

 22年2月いっぱいで定年を迎える名伯楽の経験と実績に基づく競馬理論。その根底を垣間見た瞬間だ。

 さて、今年のサンクテュエールはどんな色の桜を咲かすのか? シンザン記念からの直行ローテは、あのアーモンドアイと同じで、もはや違和感などなく、ましてや前年暮れからの参戦をグランアレグリアですでに成功させたトレーナーにとって、この仕上げは難しいミッションではあるまい。さらにデビュー戦の新潟、そしてシンザン記念(京都)で長距離輸送も経験済みだ。

「普通は牝馬でシンザン記念を使おうとはならないんだけど、この馬はカイバをしっかり食べるからね。前回は美浦を出る時よりも10キロ馬体重を減らしたんだけど、今はさらに体が増えているし、大丈夫だと思うよ」

 先週時点のサンクテュエールの馬体重は466キロ。仮に輸送で10キロ減らしたとしても、前走時(454キロ)からは増量となる。

 あとは純粋な能力比較だが、「能力? グランアレグリアと比べても十分。この馬は行かなきゃダメだとか、型がない。自在(脚質)なのが強みだよな。大丈夫、足りるはずだよ」。

 群雄割拠を呈する今年の桜花賞。当時のアーモンドアイ、そしてグランアレグリアと同じキャリア3戦のダイヤの原石が、一気に輝く瞬間を迎える。