【桜花賞】断然人気の阪神JFで6着…リアアメリアは“買い”か“消し”か

2020年04月07日 21時33分

長めの充電で成長著しい大器リアアメリア。いきなりエンジン全開ムードだ

 無観客競馬が続く中で2020年の3歳クラシックがいよいよスタートする。日曜(12日)は百花繚乱の第80回桜花賞(阪神芝外1600メートル)。混戦ムード漂う中でファンが気になるのは断然人気となった昨年暮れのGI阪神ジュベナイルフィリーズで6着に敗れたリアアメリアだ。果たして復活はあるのか? 陣営の算段は? この馬の取捨が牝馬第1冠を解く最大のカギかもしれない。

 単オッズ1・8倍。ダントツの支持を集めた阪神JFは勝ち馬から1秒5離された6着。デビューから圧倒的な内容で2連勝しながら、前走後は懐疑的な声が噴出している。

 果たして本当に強いのか? 走破時計の1分34秒2は、2走前のGIIIアルテミスSとほぼ同じ。時計的な裏付けは元からなかったし、圧勝に映った過去2戦も相手関係に恵まれた? 阪神JFの結果こそが現状のリアアメリアの“精一杯”なら、すべてのつじつまが合うかもしれない。

 負の材料を並べるなら中内田厩舎&川田のタッグは昨年、ヴェロックスでクラシック3冠に挑んで2→3→3着、ダノンファンタジーも3歳牝馬3冠で4→5→8着。大舞台では人気を集めながらも勝てなかった。

 人気を考えれば桜花賞では買えない馬…それがリアアメリアのイメージの中に残っているが、一方で陣営は復権に大きな期待を寄せる。約1年前に同馬がトレセンに入厩してから担当している片山裕也助手はこう話す。

「(阪神JFは)すごく自信はあったんです。返し馬での感じの良さをジョッキーとも話していましたし、勝てると思ってたんですよ、ゲートを出るまでは。それがゲートが開くと全然進んで行かなくて…。その時点で気持ちが切れていたとしか言いようがありません」

 確かに過去2戦は頭を上げて行きたがるそぶりを見せていた馬が、阪神JFではまるで違った走り、行きっぷりで違和感があった。理由は何なのだろうか?

「原因を探るためにすぐには放牧に出さず、トレセンでいろいろと確認してみました。レースで全く走ってないわけですから疲れはないし、身体的な異常もない。やはり気持ちの問題が大きかったのではないかと。その時点で一旦休ませて、ぶっつけで桜花賞ということになったんです」

 間隔を空けて調教で馬を良化させていく。この過程には思い当たるフシがある。

「緊張しますよ~。ちょっとモノが違うって感じかな。でも2歳戦でどうこうといったレベルじゃなくて、うまく成長させてクラシックを狙わないと。今の時点でそう思わせてくれるくらいの馬なんです」

 同助手がその素質を絶賛していたのは昨春、リアアメリアが初めてトレセンに入厩したころ。その言葉通り、新馬戦を圧勝すると成長を促すために夏場は放牧へ。馬体がはっきりと成長したことでワンランクアップの調整を施し、アルテミスSも勝った。ただし、目標はあくまで春のクラシック。最良の結果を求めて陣営は桜花賞ぶっつけ参戦を選択した。

 2週前追い切り(3月26日=栗東ウッド5ハロン69・8―11・8秒)の手綱を取った片山助手は「やっぱりすごいわ、この馬!」と絶賛した。

「食欲は旺盛ですし、ひとつ上の走りができるようにと、これまで以上にハードな調教を行っています。頭が下がってフォームは良くなっていますし、休ませたことがいい方に出ています。これまでやっていなかったゲート練習も今回はやっておこうと思うんです」

 至極順調な調整過程で臨む大一番。中125日での出走で勝利すれば、前走との間隔が最も長い桜花賞馬となる(グランアレグリア=朝日杯FS・3着から中111日、アーモンドアイ=シンザン記念・1着から中89日、マルセリーナ=エルフィンS・1着から中63日)。現況はチューリップ賞上位馬が中心の勢力図だが、陣営の当初からの“クラシック候補”の評価は少しも揺らいでいない。