【大阪杯・後記】GI・3勝目ラッキーライラック 松永幹調教師「強い牡馬相手に勝てたのは意味がある」

2020年04月06日 21時32分

M・デムーロ=ラッキーライラック(左)は絶妙のタイミングでインから抜け出した

 5日に阪神競馬場で行われたGI第64回大阪杯(芝内2000メートル)は、2番人気のラッキーライラック(牝5・松永幹)が優勝。2着にも牝馬のクロノジェネシスが入り“紅二点”のワンツーフィニッシュとなった。並みいる強豪牡馬を破ってのGI制覇。まだまだ成長を続ける2歳女王の今後を関係者の談話から展望する。

 この週から従来のA→B(内柵はAから3メートル外)にコースが替わって、内を回った先行馬が有利な状況。ただ、前走で逃げた馬が不在のメンバー構成。まずはどの馬が先手を取るのか? ゲートに注目が集まる中でハナに立ったのは1番人気のダノンキングリー。数多くの馬を脚質転換させて結果を残してきた横山典らしい騎乗で5ハロン通過は60秒4。絶妙なペースを刻んで逃げ馬としては理想的な形に持ち込んだ。

 そんな流れの中、ラッキーライラックは3番手のインを確保。内ラチ沿いをロスなく回り、鞍上との呼吸もぴったりだ。直線入り口では進路がなく追い出しを待たされたが、逃げたダノンキングリーと2番手ジナンボーとの間にわずかなスペースができると、一気に割って入る。その勢いのまま先頭に立つと、外から追いすがるクロノジェネシスを振り切ってゴールを駆け抜けた。

「スタートをうまく出たので思ったより前の位置になりましたが、ダノンキングリーをずっと見ながらレースができました。勝負どころでは馬が自分からハミを取って手応えは抜群。直線でスペースができたのも運が良かったです。余裕があって強い勝ち方でした。でも、お客さんがいなくて寂しい。コロナウイルスはしんどいですが、みんなで頑張りましょう」

 前走(中山記念=2着)に続いて手綱を取ったM・デムーロは、会見で故郷のイタリアを思いながらレースを述懐した。松永幹調教師は「ダノンキングリーをいい目標にさせてもらった。手応えはあったので、直線で前が開けば伸びてくると信じていました」と笑顔でレースを振り返った。

 ラッキーライラックは阪神JF、昨年のエリザベス女王杯に続いてGI・3勝目(重賞は通算5勝)になったが、今回が初の牡馬相手での勝利。松永幹調教師も「強い牡馬相手に勝てたのは意味がある。精神的に強くなり、馬混みをこじ開けることができるようになりました」と愛馬の成長に目を細める。今後のレース選択については「オーナーと相談してから」と明言を避けたが、古馬王道路線の大阪杯を勝ち切ったのだから、どんなレースに出走したとしても決して恥ずかしい競馬にはならないはずだ。

 昨年の有馬記念を圧勝したリスグラシュー、ジャパンCや天皇賞・秋を完勝したアーモンドアイなど、近年は強豪牡馬をものともしない女傑の活躍が際立つ。大阪杯も2着がクロノジェネシスで牝馬のワンツー決着。“牝馬の時代”を象徴するような結果になった。男性の筆者としては牡馬勢の奮起にも期待したいところだが…。この2頭に加えてアーモンドアイが戦列に戻れば、牝馬上位の流れは当分の間、続くことになりそうだ。