【旭堂南鷹のビンボー講談師に明日はない】大阪杯“絶世の美女”ラッキーが打倒キングリー果たす

2020年04月04日 18時00分

【旭堂南鷹のビンボー講談師に明日はない】月の小遣い3000円の支給日は月初め。だが、その年の大阪杯は3月末の開催だった。親に頼み込んで前借りしたのは、大好きなミスターシービーが走るからだ。

 松山康調教師は「勝ち癖をつけにきた」と豪語。もちろん、圧倒的1番人気だが、まだ欲などとは無縁の無垢な少年時代。小遣い袋をそのまま親に託した。シービーは“らしい”追い込みを見せたものの2着。その月はチョコレートも買えずに過ごした。家庭としてではなく、僕個人として初めてビンボーを味わった。

 当時は王道のGⅡだった大阪杯も17年からGⅠに昇格。当然のごとくハードルは高くなって、とにかく血統馬が好成績を残す。ディープインパクト産駒の選択さえ間違えなければ、当たり馬券はほぼ手中に収めたようなものだ。しかも、それが決して難しいことではない。

 ディープ産駒のダービー馬2頭を差し置いてなんだが、この条件ならダノンキングリーが抜きんでている。とはいえ、こちらも栗東で取材をしている身。簡単に関東馬を頭で買うわけにはいかない。まずは関西馬から打倒キングリーを探す。

 その思いが一番強いのは、前走の中山記念で後塵を拝したラッキーライラックだろう。「4角の手応えからすればよく2着に来た」と松永幹夫調教師は崩れなかったことを評価したうえで「前走は久々だったしね」と一度使った上積みを強く感じさせる表情を見せた。

 確かに2歳のころから牡馬並みの骨組みをした雄大な馬体をしていたが、今は胸前から首にかけての肉付きが実にグラマラス。それでいて腹袋は牝馬らしく締まっている。絶世の美女といった風だ。

 0秒3差を逆転するのは容易ではない。だが、叩き2走目で勝負どころの反応が良くなり、200メートルの延長というプラスアルファを加味すれば、不可能なミッションではない。頭勝負だ。

◎ラッキーライラック
○ダノンキングリー
△カデナ
△ワグネリアン
△ロードマイウェイ

【プロフィル】きょくどう・なんおう 講談師。マイケル・ジャクソンの自伝を読んで講談師の道を決意。演目は競馬、MJの他に「五代友厚」をシリーズ化。毎週日曜7時~ラジオ関西「旭堂南鷹の今昔なにわ物語」出演中。夢はグラミー賞朗読部門。