【阪神大賞典・後記】完勝ユーキャンスマイル 見えてきた天皇賞・春制覇

2020年03月23日 21時32分

インの魔術師・岩田康はユーキャンスマイル(左)を自在に操って完勝

 22日のGII阪神大賞典(阪神芝内3000メートル)は、2番人気のユーキャンスマイル(牡5・友道)が優勝。一方で圧倒的人気の菊花賞馬キセキはチグハグな競馬で7着に敗れた。そんな波乱の展開の中で重賞3勝目を挙げた優勝馬の5・3天皇賞・春に対する陣営の展望は? レース後の関係者の談話から探ってみた。

 単オッズ1・6倍と圧倒的支持を集めたキセキが大きく出遅れる大波乱の幕開け。同馬はさらに1周目の正面スタンド前でも制御が利かず、一気に先頭集団までポジションを上げていく。長距離戦ながら、ペースや隊列がなかなか定まらないレースになった。

 そんな乱ペースの中でユーキャンスマイルは中団の後ろでマイペース、マイポジションをキープ。3角過ぎから馬混みの中を通ってスルスルとポジションを上げる。直線に入ると、開いた1頭分のスペースを突いてラスト1ハロン地点で先頭へ。そのままゴールまで脚を伸ばし、終わってみれば後続に1馬身3/4差。キセキの自滅があったにせよ、完勝と言える内容だ。

「出遅れたキセキが1000メートル過ぎに動いたけど、一緒に行くとリズムを崩してしまう。3000メートルもあるわけだし、自分のレースを心掛けてリズム重視で運びました」と鞍上の岩田康。続けて「本当は外に行きたかったけど、馬群が凝縮していたから内から上がって行った。ささるのもマシだったし、馬体もしっかりしてきたね」と確かな成長も実感した様子だ。

 友道調教師は「金鯱賞を使う予定を1週延ばした分、しっかり調教を積めた。真っすぐ走れたのは良かったですし、成長もありますね。今後は予定通り、春の天皇賞(5月3日=京都芝外3200メートル)へ向かいます」と次走を明言した。

 思わぬ乱ペースにも動じず臨機応変に対応できた点や、狭いスペースにひるまず突っ込んだ勝負根性、さらにゴールまで勢いを持続させる息の長い末脚など、ユーキャンスマイルの長所がすべて発揮されたレースとなった。陣営は長距離戦での自信をさらに深めたに違いない。

 岩田康は「この勝ちで目標に近づいた。今後は無事にいってほしい」。友道調教師も「距離はあったほうがいいし、チャンスはあると思います」と確かな手応えを口にした。

 昨年の天皇賞・春は5着に敗れているが、2年越しのリベンジに向けて視界は良好。ここまでGIは4戦して3→5→4→5着と善戦マンの域を出なかったが、得意の長距離戦でのビッグタイトル獲得がにわかに現実味を帯びてきた。