【金鯱賞】サートゥルナーリアにとって本当に「右回り専門」なのかを見極める大切な一戦

2020年03月13日 21時03分

先々が決まる大事な一戦を迎えるサートゥルナーリア

【金鯱賞(日曜=15日、中京芝2000メートル=1着馬に4・5大阪杯優先出走権)栗東トレセン発秘話】人間に利き手があるように、馬にも手前の得手不得手はある。それこそ今なら「右回り専門」と即答できるドリームジャーニーも、ダービー挑戦時には吉村助手(現調教師)から「この馬は右手前のほうが走りっぷりがいい。直線を右手前で走れる左回りは狙い目かもしれませんよ」とささやかれたものだ。ご存じのように、結果(5着)は伴わなかったのだが…。

 金鯱賞を断然人気で走ることになるサートゥルナーリア。この馬もまた左回りで結果を出せておらず、ゆえに「右回り専門」なんて声がよく聞かれるようになったが…。厩舎担当記者として言わせてもらえば“バカじゃないだろうか。むしろ、この馬は左回りのほうがいいんだぞ。負けた理由は他にあるんだから!”と憤慨していたりする。

 ただし、それは前述した手前の得手不得手を根拠にしたものだ。サートゥルナーリアは右手前のほうが圧倒的に得意な馬で、坂路のキャンターを見ているだけでも、右手前で走りたそうにしているのがよく分かるほど。実際、調教パートナーの小滝助手も「右手前に比べ、左手前の走りはお世辞にも格好がいいとは言えません。最近こそ左手前でも我慢できるようになってきましたが、右手前と比べると、まだまだ差はありますね。直線を得意の右手前で走れる左回りのほうが合うと僕も思っているんです」。

 少なくとも、記者の見解は思い過ごしでも、思い違いでもない。サートゥルナーリアは右手前で直線を走れる左回りで爆走する――はずだった。

 だが、結果はそのようになっていない。その理由とは? それもまた、別の意味で手前の得手不得手が絡んでいるのではないか、という記者の意見に「僕もそう感じています」と小滝助手。記者よりも信ぴょう性の高い彼のコメントを全面的に引用すれば、その理由はこんな感じだ。

「右回りではコーナーを得意の右手前で走れるじゃないですか。そこで脚をためることができてますし、得意の手前のまま、勢いをつけて直線に入ってこれる。ゴール前で苦しくなったときも、得意の右手前に戻すだけ。だから我慢が利くんですよ。左回りではすべてが逆になってしまう。コーナーで無理をすることになりますし、それが爆発できない理由になっているのかもしれませんね」

 担当記者として改めて言わせてもらえば、ダービー(4着)も、天皇賞・秋(6着)も、状態は芳しくなかった。なので今回の金鯱賞が終わった後に「これまでの敗因は状態面だったんだね」となることを個人的には願っている。しかし、仮に前述の仮説が正解で、左回りへの不安を払拭できないレースになってしまえば…。今後も右回りを中心に走れる春シーズンはともかく、秋シーズンは大変なことになる。メンツ的には“楽勝”に見える一戦でも、サートゥルナーリアの将来がかかった、とてつもなく大事で、絶対に見逃せないレースなのである。

 ちなみに、最終追い切りはルメールを背に、坂路4ハロン49・8秒。有馬記念(2着)に近い仕上がり=言い訳のできない状態であることも追記しておきたい。