【金鯱賞】ラストドラフト 抜群の雰囲気で今度こそ“勝利の美酒”に酔う

2020年03月12日 21時32分

自信を取り戻したラストドラフト

【金鯱賞(日曜=15日、中京芝2000メートル=1着馬に4・5大阪杯優先出走権)美浦トレセン発秘話】レース結果に一喜一憂するのは、何も人間に限った話ではない。実は走っているサラブレッドのメンタルも、競馬に大きく左右されることがあるらしい。国枝栄厩舎の鈴木勝美助手が当方にこう語ったことがある。

「足踏みが続いた馬がポンポンと勝ちだすと、運動で急に威張って歩きだすから面白い。逆にポテンシャルが一級品でも、負けが続くことで競馬にネガティブなイメージを抱く馬も少なくない。やっぱり人も馬も大事なのは自信なんだよ」

 今週ふと思いをはせたのは、金鯱賞に出走するロードマイウェイの心情である。昨年6月に1勝クラスを勝ち上がると、一気の5連勝で重賞ウイナーに。いまや肩で風切る勢いで栗東を闊歩しているに違いない。とはいえ当レースには、同じくメンタル面で注目する関東馬がいる。その名はラストドラフト。昨年の京成杯V以降、5戦連続で白星から遠ざかるが、むしろ前々走から抜群の雰囲気を醸し始めたのだ。

「でしょ? オイシン(マーフィー)が予告した通り、馬がすっかり自信を取り戻したね。なぜなら本人はすっかり重賞を連勝したつもりでいるんだからさ(笑い)」

 さっそうと歩く愛馬に目を細めるのは戸田博文調教師。果たしてどういう意味なのか?

「中日新聞杯(2着)は先頭に立った時点で“勝負あった”と馬が判断して気を抜いてしまった。その分、ゴール間際にかわされたけど、オイシンに言わせれば“彼は楽勝した気分でいる”と。前走アメリカJCC(3着)にしてもそう。直線は勝った馬が内、こちらは外に振られて2組に分かれる異質な競馬になったが、叩き合った馬には負けなかった。オイシンは“彼に内は見えていない。たぶん、馬の雰囲気はさらに良くなる”って宣言したけど、確かにストレスがなく活気十分だね」

 競り負かした4着ミッキースワローはそれまで重賞3戦を含み、中山二二は〈2・2・0・0〉のスペシャリスト。故障馬のアオリを受けたのは痛かったが、その意味でも勝ちに等しい走りだったか。

 むろん先頭に立つと気を抜く面は課題でも、ここは前出ロードに加え、サートゥルナーリアが参戦。目標がある分、競馬はずっと運びやすくなる。

「フワッとするのも逆に激しい闘争心の裏返し」というラストドラフトが、この相手にどんな立ち回りを見せ、レース後はどんなメンタルで戻ってくるのか。週末の舞台が楽しみである。