【弥生賞・後記】重賞初Vサトノフラッグに武豊絶賛「ディープが中山で走る時と一緒」

2020年03月09日 21時32分

外から一気に突き抜けたサトノフラッグ(右)。偉大な父をほうふつさせる末脚だ

 8日、中山競馬場で行われた4・19皐月賞トライアルのGII弥生賞ディープインパクト記念(芝内2000メートル=3着までに優先出走権)は、武豊騎乗で唯一のディープインパクト産駒サトノフラッグ(牡・国枝)が3コーナーからロングスパートを決めて重賞初制覇。父を思い起こさせるレースで力強くクラシックに駒を進めた。鞍上が絶賛したその走りをさっそく振り返ってみたい。

 今年からディープインパクトの冠を襲名した弥生賞。その最初の勝ち馬は同産駒で、ディープインパクト全戦の手綱を取った武豊が鞍上という出来過ぎたサクセスストーリー。ともあれ、サトノフラッグは春のクラシックに向けて圧巻のパフォーマンスを繰り広げた。

「(返し馬で)馬上から見た景色がディープと似た景色だった。走りそうな馬だな、と思ってゲートに入った」

 レース前からその素質を見抜いた武豊。しとしとと降り続いた雨で内側は損傷が目立ち、決して1番枠が有利とは言えない馬場状況だったが、荒れた内を避けるように1コーナー過ぎから外に持ち出し、コースロスを最小限にした。勝負を一気に決めたのは3コーナーからの加速。15年前、初めての東上で父が“魅せた”競馬がオーバーラップした。

「自分から上がっていこうとしたからね。ディープが中山で走る時と一緒で思い出した」(武豊)。一頭だけ他馬と違う手応えで堂々の押し切り。2005年にこのレースを制した父の着差(クビ)を大きく上回る1馬身3/4差のパフォーマンスに、国枝調教師も「完璧に乗ってくれた」と自然に笑みがこぼれた。

「今日の勝ちっぷりならまだまだ良くなる。それに良馬場ならさらにいい。非常に楽しみな馬」。サトノフラッグは伝統あるトライアルで名手から最大級の評価を得た。

 ただ、まだ東西でトライアルを残しているし、東のサリオス、西のコントレイルと、無敗のGI馬はすでに皐月賞直行を表明している。ホープフルSからぶっつけで1冠目を制した昨年のサートゥルナーリアに代表されるように、近年は日本ダービーへいかに余力を持って臨めるかが大きなテーマになっている。

 それでも偉大な父の遺伝子を受け継いでこれから大きくステップアップすることも…。この勝利は名馬へと続く第一歩になるかもしれない。