【ドバイWCデー】コロナ禍で開催どうなる?ターフ連覇狙うアーモンドアイ国枝調教師の嘆き

2020年03月10日 21時32分

ドバイターフ連覇を狙うアーモンドアイに新型コロナウイルスの余波が…

 競馬の祭典・ドバイワールドカップデー(28日)はどうなるのだろうか? 新型コロナウイルスの感染拡大防止のためアラブ首長国連邦(UAE)のドバイスポーツ省は3月中にドバイで行われるすべてのスポーツイベントの延期を関係各所に要請。ドバイ諸競走を主催するエミレーツ・レーシング・オーソリティーは開催か否かの検討に入った。日本馬は今年、ドバイターフ連覇を狙うアーモンドアイなど、過去最多の19頭が出走予定(日本でも馬券発売予定)。海外でも競馬ファンの楽しみがまたひとつ奪われるかもしれない。

 JRAは8日、ドバイに遠征する各馬の出国日程および東西トレーニングセンターにおける調教時間等を発表した。12日から輸出検疫に入り、18日にドバイに向けて出国。大一番に向けての準備は着々と整いつつあるが…。一方で新型コロナウイルスの余波がひしひしと押し寄せている。ドバイスポーツ省の延期要請から、開催は極めて不透明な状況。その“ニュース”は開催競馬場にも届いている。最前線に管理馬を送り込む陣営はこうコメントした。

★アーモンドアイ・国枝調教師「今年はカレンブーケドールと2頭いるので心配はしているけど、正式な話は何も聞いていないのでこちらとしては計画通りにやっていくだけ。一番困るのは現地に着いてから中止になること。取り返しがつかないからね。あれだけの馬だし、(開催の有無が)あまり不確定要素が多い中で連れて行くわけにもいかない。ぎりぎりまで状況を見極めながらオーナーともよく相談して判断したい。アーモンドアイは今朝(8日)も美浦坂路で4ハロン53・5秒。馬は順調ですよ」

★ウインブライト・畠山調教師「報道で知った限りで、主催者から具体的な話は何も聞いていません。13日に(日本の)国の動物検疫官の検査も入る予定だし、こちらとしては予定通りやるだけです。ドバイの後は香港(4月26日のクイーンエリザベスII世C)を予定している。香港はしばらく無観客で開催をしているみたいですが、香港からもとくに中止になるような話は聞いていません。予定通りに行われることを願っています」

★ラヴズオンリーユー・矢作調教師「正式なニュースは何も聞いていませんし、仮に中止なら大阪杯に行けばいいこと。ただ、(モズアスコットが遠征予定の)オーストラリアを含めて(開催は)五分五分かなという思いはあります。今朝もモズアスコットを(検疫中の)東京競馬場で見てきましたが順調ですよ。(2頭とも)出発前なら問題はない」

★アドマイヤマーズ・友道調教師「今のところはとくに連絡はないし、今日(8日)も栗東ウッド(6ハロン84・0―11・9秒)でしっかりと追い切っているんだけど…。どうなるか早く決まってほしいですね」

 サウジアラビアから転戦するクリソベリル、ゴールドドリーム、フルフラット、マテラスカイの4頭は5日にすでにドバイ入りしている。2頭が現地に滞在している森調教師は「(UAEの)国が決めることだし、僕らがどうこう言えることではない。2頭とも無事に入国しましたし、サウジからだったので人(スタッフ)の入国も問題なく予定通りにきています」。クリソベリルの音無調教師は「こっちからは(中止や延期は)どうしようもないからな。どうなるか早く決まってほしい」とコメント。親しい関係者に「ドバイはどうなってるんだ?」と逆取材していたほどだ。

 ドバイでは7日のWC諸競走前哨戦「スーパーサタデー」が無観客競馬で行われたばかり。警戒度は増した、ということだろう。ただ、現実的に延期は難しい。現地の4月はかなりの暑さだし、欧州競馬のシーズンも本格化する。海外の有力馬を抱えるチームは他のレースを考えるのは当然だろうし、日本馬は日本国内のレースを選択肢に入れるだろう。

 冷静に対応した矢作調教師から「大阪杯」の名が出たように、芝中長距離路線組は4・5大阪杯(阪神芝内2000メートル)参戦は現実的かもしれない。ドバイターフのアーモンドアイやウインブライト、ドバイシーマクラシックのカレンブーケドール、グローリーヴェイズなどが切り替える可能性はある。そうなると、すごいメンバーが集まってしまうのだが…。

 もちろん、あくまで仮の話だが、競馬の世界的スーパーイベントが中止(延期)になればダメージは小さくない。近日中に結論が出るはずだ。

【ドバイ諸競走】毎年3月、UAEを構成する首長国の一つ、ドバイのメイダン競馬場で「ドバイワールドカップデー」として開催される複数のGIレースなどの総称。ワールドカップデーは1996年に創設され、高額な総賞金などから、ドバイの競馬におけるシンボルとして知られ、世界の競馬界においても重要な位置にある。日本調教馬では2011年にヴィクトワールピサがドバイワールドカップを制したほか、アドマイヤムーン、ジャスタウェイ、リアルスティール、ヴィブロス、アーモンドアイがドバイターフ(旧名称ドバイデューティフリー)で優勝している。17年に日本での馬券発売が始まった。