【チューリップ賞】マルターズディオサ 万全「これ以上良くなるのが怖いくらい」

2020年03月05日 21時33分

仕上がり万全のマルターズディオサ

【チューリップ賞(土曜=7日、阪神芝外1600メートル=3着馬までに4・12桜花賞優先出走権)美浦トレセン発秘話】コロナ禍により昭和19年(1944年)の日本ダービー以来の無観客開催となった先週の中央競馬。無人のスタンドに身を置き改めて感じたのは、競馬は単なるスポーツでも産業でもギャンブルでもなく、エンターテインメントの部分が非常に大きいこと。ファンの歓声も競馬をつくる大事なファクターであり、その共感性が数々のドラマを生み出すのだと痛感した。むろんエンターテインメントは平穏な日常が支えるもの。一刻も早い事態の終息を願うほかない。

 さて、今週は牡牝クラシックの重要なトライアルが東西で行われる。中でも弥生賞ディープインパクト記念(日曜=8日、中山芝内2000メートル=3着までに4・19皐月賞優先出走権)にワーケア、チューリップ賞にマルターズディオサを送り出す手塚貴久厩舎は今週最大の注目ステーブル。2週前から何度も厩舎に足を踏み入れて仕上がり度合いを探ってきた。

 まず弥生賞のワーケアだが“あくまで目標は先”というのが現時点の感触だ。20キロ増の馬体で帰厩したのが先月中旬。「ひと追いごとに息も動きも良くなっている」(手塚調教師)のは確かでも、まだ体に余裕があり、いいころの反応は戻ってない。それでも1週前に手綱を取った嶋田純次は「角馬場は随分乗りやすくなったし、モタれ加減もマシになっている」と成長を口に。八分仕上げの今回の走りが今後を占うのは確かだ。

 対して今回ぜひとも買ってみたいのは、チューリップ賞のマルターズディオサである。1週前は攻め駆けするワーケアを馬なりでアオる絶好の動き。担当の中條亮英厩務員も次なる言葉で万全の仕上がりを口にする。

「昨年と馬体重こそ変わっていませんが、メリハリが増して馬体の張りは素晴らしく良くなった。冬場でも毛ヅヤはピカピカだし、これ以上良くなるのがむしろ怖いくらい。桜花賞までこの状態を維持させるのが僕の最大の務めでしょうね」

 今回は阪神JFで0秒8差をつけられた2歳女王レシステンシアと注目の再戦。その着差をどこまで詰めるかがポイントだが、送り出す手塚師は「今回は他に逃げ馬もいるし、馬場も前残りだった当時とは違うはず。今回も同じだけ走られたらかぶとを脱ぐしかないが、何とか好勝負に持ち込みたいね」とキッパリ。当方もファン同様、気持ちが届くと信じてテレビの前で声援を送るつもりだ。