【JRA無観客開催】電話・ネットで売り上げ健闘も騎手は「ファンのいない競馬場は寂しい」

2020年03月02日 21時34分

売得金比較表

 JRA史上初となった無観客競馬ウイーク(2月29日、1日)が終了した。新型コロナの感染拡大防止のため、中山、阪神、中京の3競馬場およびウインズ等は固く閉ざされた。“聖地”を失った競馬ファンはネットに走るのか、雌伏の時と決め込むのか…。関係者、ファンが一体となった競馬再開のXデーはいつになるのだろうか?

 2日間の競馬開催の売得金は別表の通り。電話・ネット発売のみとなった馬券の売り上げは、3場で2月29日が対前年比87・4%(178億4354万5100円)、1日が対前年比79・9%(262億2562万5800円)だった。ただ、従来は電話・ネット購入が全体の約70%ということを考慮すれば、大健闘といえる数字。電話・ネットだけを見ると、122・1%、114・9%と大きく売得金を伸ばしている。

 現金勝負にこだわり“休み”を決め込んだファンもいるだろうが、どうしても馬券を買いたいためにネットに参戦したファンも多いということだ。2月29日の即PAT(特定の銀行口座を持っていれば即日登録が可能なネット投票サービス)加入件数は1万4763。昨年2月23日の即PAT加入件数が2984件だから、急激にネット購入者が増えたことがわかる。1日(日曜)の集計は2日以降に発表されるが、前年比で大きく数字を伸ばしているのは想像に難くない。ファンはとにかく競馬に参加したいのだ。

 観客を待ち望んでいるのはジョッキーを中心にした関係者も同じ。無観客競馬についてダノンキングリーで1日のGII中山記念を制した横山典は「勝っても寂しいですね。やはりファンあっての競馬だと強く思いました。早くこの事態が終息して、大勢のお客さんの前で勝ちたいと思います」と複雑な心境を吐露。また中山記念6着で、これが引退レースだったマルターズアポジーの武士沢は「自分の競馬ができて、いいラストランだったと思いますが、無観客というのは寂しかったです」と無念そうな表情を見せた。

 この日は70歳定年でターフを去る山内研二調教師(阪神)、作田誠二調教師(中京)の引退セレモニーがあった。前日はダービー2勝など、JRA通算1586勝の四位洋文(47=調教師に転身)の引退式(阪神)があった。別れを共有したかったファンは少なくないはずだ。「ファンのいない競馬場は寂しい。一日も早く本来の競馬場に戻るように強く願います」と四位はあいさつした。

 この無観客競馬についてJRAは「当面の間」実施するとしている。