【フェブラリーS・後記】モズアスコット 芝&ダートGI制覇“二刀流”の今後

2020年02月24日 21時03分

フェブラリーSを制し、芝&ダートのGI取りを達成したモズアスコット(右)

 23日、東京競馬場で行われた今年最初のJRA・GIフェブラリーステークス(ダート1600メートル)は1番人気のモズアスコット(牡6・矢作)が勝利し、芝・ダートの両GIを制した馬となった。2018年安田記念以来のGI勝利はダート転向のみが理由なのか? レース後のコメントなどをもとに、二刀流を目指す同馬の今後を考えてみたい。

 昨年のチャンピオンズCでワンツーを決めたクリソベリルとゴールドドリームはサウジアラビア(3月1日、サウジカップ)へ遠征。東京マイルで勝ち鞍のないケイティブレイブが2着した結果を見ても、今年のメンバーが手薄だったことは否めない。しかし、その2着馬を寄せ付けなかったパフォーマンスに加え、1分35秒2の勝ち時計も2017年の優勝馬ゴールドドリームの走破タイムとも0秒1差。モズアスコットのみは〝別格〟の扱いをしてもいいし、すべきだろう。

「根岸Sから新しいモズアスコットになった」とルメール。芝のGI馬をダートへという選択は血統面、年齢とともにスピード勝負型→パワー型への移行などを見極めてのものだったというが、前走の根岸Sは「元来が休み明けはあまり良くないタイプ。馬も硬くていいとは思わなかった」と矢作調教師。つまりは地力と適性のみの勝利だったわけだ。「今回は馬が良くなっていたのもあるし、走り慣れた芝スタートなど、すべてにおいて条件が好転していた」のだから、この結果も当然といえば当然。だからこそ、モズアスコットの今後に注目しなくてはならない。

 これからもダート路線で行くのか? それとも芝との二刀流を目指すのか? その問いに対し、陣営はすでに明確な答えを出している。発表された次走は4月4日、豪・ランドウィック競馬場で行われるGIドンカスターマイル(芝1600メートル)。芝路線での海外遠征で箔をつけようと考えているようだが、この選択に対し、ルメールは「わからない。(自分は)行けない」とコメント。同馬の現在の適性がダートと考えているのか、秋には米・キーンランド競馬場で行われるブリーダーズC・ダートマイルも視野に入っていると聞くと「アメリカ血統。やれると思う」と笑顔で即答している。

 しかし、モズアスコットは人知を超えたところのある馬だ。未知数な初ダートを一蹴した根岸Sだけでなく、初GI制覇を果たした一昨年の安田記念は連闘の離れ業。この馬の力は底知れない。復活した〝新生モズアスコット〟の戦いは、今後も競馬界を面白くしてくれそうだ。