【共同通信杯・後記】重賞初Vダーリントンホール つかんだ“横綱”への挑戦権

2020年02月17日 21時33分

ダーリントンホールの背で関係者の出迎えにハイタッチで応えるルメール。さすが千両役者だ

 16日、東京競馬場で行われたGIII共同通信杯(芝1800メートル)は、3番人気のダーリントンホール(牡3・木村)が競り合いを制して重賞初V。人気を裏切った近2走からの立て直しに成功し、クラシックに向けて大きなタイトルを手にした。

 ラスト300メートルから馬体を何度もぶつけながらの激しい叩き合い。ゴール板での“ハナ差”は鞍上、そして厩舎の勢いも後押ししたかもしれない。

 雨は午前中で上がったものの、すっきりとしない空模様が続き、見た目にも重めの芝でレースを迎えた(発表は稍重)。極端に切れる脚は使えない馬場、そして逃げたビターエンダーが刻んだ5ハロン通過63秒2というゆったりしたペースを考えると、ポジショニングが大きな勝因となったのは間違いないだろう。向正面では折り合いをつけつつ中団に位置していたルメール=ダーリントンホールは3角過ぎから動いた。中団以降でじっくり脚をためていた人気2頭(マイラプソディ、フィリオアレグロ)との明暗を分けたシーンだ。

 ただ、決して勝因は展開利だけではあるまい。

「フットワークが大きく、ひっかかるようなパワーもある。だからいかにリラックスして走らせるかを気をつけて乗った。直線も一生懸命ですごくファイトしてくれたね」。ルメールがたたえた2着馬との激しい“ファイト”ができたのは、馬の地力、そして状態の良さがあってこそ。「(牧場から)帰ってきた状態が昨年の秋とは全然違っていた。今日の返し馬を見てもいいころに戻っていた」と木村調教師。完調になく3着に敗れた前走の葉牡丹賞からきっちり立て直し、即結果につなげてみせた。

 これで木村調教師はプリモシーン(東京新聞杯)に続いて2週連続で会心の重賞V。「(レース出走にあたって)健康な状態ならば、ね。先週も今週もそう」。馬をいい状態に持っていくというシンプルな信念が好結果につながっているようだ。

「賞金を加算したことで余裕を持って(クラシックへ)いける」と同師。無理することなく本番へ向かえることは大きな材料で「まだ子供だし、緩さもある。まだ良くなってきそう」とルメールが言う“成長力”も十分に見込めるだろう。

「最終的には2400メートル(5・31日本ダービー)を使いたいので。そこにいい状態で向かいたい」

 コントレイル、サリオスの無敗のGI馬2頭が引っ張る3歳牡馬戦線。その牙城を崩すほどのパフォーマンスではなかったものの“横綱”への挑戦権は確実に手にした。4・19皐月賞直行から頂上決戦へ――。若きトレーナーとともに、大舞台でどんな競馬を見せてくれるのだろうか。