【根岸S・後記】モズアスコット「ダート適性」「脚元」2つの不安吹き飛ばしてフェブラリーSへ

2020年02月03日 21時31分

モズアスコット(右)は初ダート&58キロの酷量を問題にせず圧勝した

 2日、東京競馬場で行われたGIII根岸S(ダート1400メートル)は、3番人気のモズアスコット(牡6・矢作)が中団追走から直線で一気に末脚を伸ばして勝利。連闘で制した一昨年のGI安田記念以来となる勝ち星を初ダートで挙げた。復権なったGI馬が次走のダート頂上決戦・フェブラリーS(23日=東京ダート1600メートル)でも主役を務められるか検証する。

 オークス馬ソウルスターリングの父としても知られるフランケル産駒がJRAで挙げた35勝のうち、ダートはわずか5勝。モズアスコットが勝つまでの最高条件は1勝クラスだった。一昨年のGI安田記念から勝ち星が遠ざかっていた同馬にとって、客観的には“芝に見切りをつけた”とも映ったダート参戦だが、ふたを開けてみれば出遅れを克服しての完勝劇。58キロを背負って前年の覇者コパノキッキング(2着)を差し切る堂々たる勝ちっぷりだった。

 2018年の安田記念でも手綱を取っていたルメールは「久しぶりの勝利だからすごくうれしい。ゲートで座ってしまっていいスタートが切れなかったけど、すぐにハミを取ったし、楽な流れになった。直線は長くいい脚を使ってくれた。初めてのダートでもすごくいい反応で能力を出してくれた」とパートナーを絶賛。安田記念V時との比較を問われると「ダートでも芝でも同じくらい強い。調子が戻ってきたんだと思う」。ダート適性よりも復調を勝因に挙げた。

 一方で矢作調教師は「フランケル産駒のダート適性がどうのと言われていたが、母系に(適性の)根拠があったし、走りからも適性がないとは思っていなかった」としたうえで「休み明けと脚元の慢性的な不安であまりいい状態とは思っていなかったので、ダート適性よりもその点(状態面)に自信がなかった。その中でこの勝ち方は強かった」。鞍上とは逆の見立てながら、強さを再認識した点では同じだろう。勝ち時計1分22秒7は、過去10年のうち良馬場で行われた7回では最速。数字の裏付けもある。

 昨暮れのチャンピオンズCの1、2着馬クリソベリル、ゴールドドリームは2・29サウジCへの挑戦が決まり、次走のフェブラリーSは手薄感も漂う。ルメールの継続騎乗は未定だが、有力視されるのは間違いない。

 矢作調教師はフェブラリーS後に、豪GIドンカスターマイル(4月4日=ランドウィック競馬場・芝1600メートル)の参戦も表明。「(同レースが)道悪になりやすいので、ダートを使っておいても悪くないかと」と胸中を明かしたが、モズアスコットが自身の脚で今後への大きな可能性を広げたのは間違いない。