【赤城真理子の聖地巡礼】私が見た最初で最後のマヤノトップガンは「優しいおじいちゃん」

2020年01月31日 21時00分

1995年菊花賞をはじめ、GI・4勝を挙げたマヤノトップガン

【赤城真理子の聖地巡礼】数々の名馬と出会い、興奮と感動を与えてくれた優駿スタリオンステーション。この素晴らしい場所で、私はもうひとつ、一生忘れられない経験をすることに。

 マヤノトップガン。私が彼に会ったのはこの世を去る数時間前のこと。痩せているなとは思ったし、年齢を重ねた馬だとすぐに分かったけど、ちゃんと元気に見えたんです。ですから、その直後の訃報にすごく驚いて…。最後に会った一般人が(競馬歴の浅い)自分ということが長年の競馬ファンの皆さんに申し訳なく、記事にするつもりはありませんでした。

 でも、栗東に戻り、管理していた坂口正大元調教師にこのお話をすると、目を見開いて「本当に? トップガンと会ったの。申し訳ないんだけど、もしできれば、その時の写真を送ってほしい」と。もちろん、すぐにメールでお送りしました。写真とともに映像も。

 すると、先生は涙を浮かべて「僕もちょこちょこ会いには行ってたんだけど、こうやって改めて見ると、すごく年を取ってたんだなあ。現役時のトップガンはね、競走馬の中の競走馬って感じで。レース前は僕にだって体を触らせてくれなかったんだよ。でも、僕の調教師人生を変えてくれた馬だった。これが生きていた最後の姿だったんやね。見れて良かった…ありがとう」と。

 こちらが泣きそうになってしまいましたが、坂口さんとマヤノトップガンとの最後の対面を手伝うことができたのなら、撮影していて良かったなと思いました。もし、彼のファンだった方がこの話を聞いて、当時の雄姿を思い出してくれたら、ちょっとうれしいです。

 わずか数十秒ですが、そのトップガンの映像は今も私のスマホに残っています。後日、改めて坂口さんに取材をお願いして、今回の動画を配信していいか尋ねたところ、「もしかしたらショックを受ける方もいるかもしれないけど、トップガンがちゃんと生きていた証しやからね。ファンの方にも見せてあげてほしい」と言ってもらいました。

 その時にマヤノトップガンとの思い出なども話してくださったので、こちらも映像にしています! 東スポWebで配信する動画(https://www.tokyo‐sports.co.jp/horse/movie/1710018/)をぜひご覧になってください。

 私が最後に会ったマヤノトップガンは穏やかな顔をしていて、呼ぶと寄って来てくれたし、馬体も普通に触らせてくれました。現役時代とは全然違うんだろうけど、それでもその目は若馬のようにキラキラと輝いていたような気がしましたよ。ありがとう、トップガン。