【京成杯・後記】異次元の豪脚を披露したクリスタルブラック その輝きは本物か

2020年01月20日 21時31分

スカイグルーヴのゴール寸前、クリスタルブラック(手前ゼッケン=1)が外から一気に差し切った

 19日、中山競馬場で行われた3歳馬によるGIII京成杯(芝内2000メートル)は、7番人気のクリスタルブラック(牡・高橋文)が勝利。一旦はセーフティーリードに持ち込んだ1番人気のスカイグルーヴをゴール前で差し切った。これで2戦2勝。この強さは本物なのか? レースを振り返ると同時に今後を探ってみた。

「レース前はイライラしていたし、ゲート内ではそわそわ。道中は馬群に突っ込みそうになるし、向正面ではハミを取り過ぎているし…。本当にひやひやものでした」

 レース後、厩舎開業初の重賞制覇の喜びもよそに、冷や汗?を流しながらの回顧となった高橋文調教師。これで2戦目。若駒だけにやんちゃな面を見せてしまうのは仕方がないとはいえ「今回もぎりぎりまで出否を考えていたほど体質が弱い。気持ちに体がついてこない」という現状なのがクリスタルブラック。逆に、そんな心身ともに未完成な状況で“ノーザンファーム屈指の牝馬”とささやかれているスカイグルーヴをねじ伏せたのだから“大器”の可能性が大いにありだ。

 ロールオブサンダーのハナ主張で始まった当レース。ヒュッゲ、スカイグルーヴと3頭が先団で並んだが、前半5ハロン通過は61秒5の落ち着いた流れに。4コーナーでは抑え切れない手応えでスカイグルーヴが先頭に立ち、直線半ばでは誰しもが勝利を確信したほど…。ところが、大外に持ち出した白い帽子=クリスタルブラックがグングン伸びて一気にかわしてしまう。その瞬発力は相当なもので、まさに次元の違う脚だった。

「今日は内側の馬場が傷んでいたし、最後は外へ出そうと思っていた。乗り味はいいけど、まだテンションの上がりやすい面がある。そのへんが良くなってくれば今後が楽しみですね」とは吉田豊。メジロドーベル(GI・5勝)、ショウナンラグーン(青葉賞V)など、もともと豪快な追い込みを得意とするジョッキー。同馬はまさに、久々に現れた頼もしきパートナーに違いない。

 走破時計2分02秒1は平凡な部類だが、これは前半のペースが遅かったため。むしろ、2戦続けてメンバー最速上がりをマークした点を評価すべきだろう。4・19皐月賞直行を示唆した高橋文調教師。その日まで約3か月ほどあるが、この衝撃的な走りを必ずや忘れずに覚えておきたい。