【日経新春杯】リスグラシューの魂受け継ぐサトノガーネットが牡馬撃破だ

2020年01月14日 21時32分

飛躍の時が来たサトノガーネット。“先輩”リスグラシュー譲りの末脚が最大の武器だ

【日経新春杯(日曜=19日、京都芝外2400メートル)dodo馬券】年明けのJRA開催も3週目に突入。日曜は伝統あるGII日経新春杯が京都競馬場で行われる。過去の優勝馬には、のちにGIを勝つ牡馬の猛者たちが名を連ねるが、当欄があえて狙うのは重賞を制したばかりの5歳牝馬サトノガーネット。陣営への取材から確たる勝算が透けて見えてきた。


 4歳の暮れにようやくGIII中日新聞杯を勝ち、重賞ウイナーの仲間入りを果たしたサトノガーネット。しかし、8番人気での勝利は、3着馬までタイム差なしの大接戦。先に抜け出した3歳馬(ラストドラフト)をゴール寸前でなんとか捕らえたもので、いかにも“ローカル”のハンデ重賞という決着でもあった。

 これまで重賞実績の乏しかった自身も、53キロという軽ハンデの恩恵を受けた点は否めない。成績の字面だけ見れば、主場の京都、それも伝統のGIIでは荷が重いと思われるだろう。しかし、陣営からはかなりの手応えを持っての参戦であることが伝わってくる。

「確かにハンデは軽く、何とか届いたという勝ち方でしたが、先行馬に有利となりがちな中京の2000メートルという条件で直線一気に差し切ったことに価値がありますし、評価できる内容だったと思います」と安藤助手。

 主戦の坂井も「3歳春に未勝利を勝った時点でいずれは重賞を勝てる馬だと思っていましたし、道中は促しながらの追走でも最後は脚を使えると信じていました。何とか責任を果たせて良かったです」とレース後にコメントした。人気薄の意外な激走ではないのだ。

 安藤助手は「やはり距離は長いほうがいいタイプなんでしょう。そう考えれば日経新春杯はこの馬に合った条件だと思います」とさらなる可能性を示す。昨年5月以降の7戦は、レースの格に関係なく上がりは出走馬最速か次位。そんな切れ者の本質はステイヤー、との証言だ。ただし、それだけでGIIの厚い壁を突破できる、と陣営が考えているわけではない。

「3歳時はどうしても食いが細く、あまり負荷をかけた調教を課せなかったり、レース後に反動が出ないかなど注意する必要があったんです。それが昨秋あたりからこの馬なりに食べるようになり、体調も安定してきました。心身ともに成長したことで、ようやく素質に見合った走りができるようになったんじゃないでしょうか」と同助手。振り返れば、昨秋は強力メンバーのGII府中牝馬S、GIエリザベス女王杯でも上がり33秒台の末脚で存在感は示していた。

 晩成型の牝馬、そして矢作厩舎の管理馬となれば、5歳に国内外のGIを3連勝。昨年の年度代表馬に選出され、惜しまれつつターフを去ったリスグラシューが記憶に新しい。くしくも日経新春杯の行われる19日は、京都競馬場で同馬の引退式がある。希代の名牝となった彼女になぞらえるのはさすがに酷かもしれないが、先輩の門出に花を添えるストーリーを大いに期待したいところだ。