【フェアリーS・後記】完勝スマイルカナ 進化する逃げは桜でも通用するか

2020年01月14日 21時31分

柴田大はゴール後、会心のガッツポーズを決めた

 月曜(13日)中山メイン・GIIIフェアリーS(芝外1600メートル)は、3番人気のスマイルカナ(高橋祥)が後続に影をも踏まさぬ逃走Vを決めた。果たして群雄割拠の3歳牝馬路線で、初重賞制覇を決めたこの馬はどのレベルに位置するのか? じっくりと検証する。

 ひいらぎ賞(1勝クラス)に続く連勝でデビューから4戦3勝としたスマイルカナ。徹底して距離マイルにこだわり、3勝は全て「逃げ切り」と戦法もまた定着した。とりわけ、このフェアリーSは2着チェーンオブラブに2馬身半差と、これまでの最大着差をつけてのもの。一戦ごとの成長と進化がハッキリとうかがえる。

 レースの前後半4ハロンはともに47秒0という完全なイーブンペース。スローに落とすのではなく、後続にも脚を使わせる、けれんみのない逃げが最大の長所であり、武器だろう。勝ち時計1分34秒0も過去10年との比較で2位と上々だ。

 一方で意地悪な見方をすれば…。舞台は内枠が絶対有利とされるトリッキーな中山マイル。最内枠のアドバンテージを存分に生かした印象も残る。近年では2013年クラウンロゼ、15年ノットフォーマル、16年ビービーバーレルと逃げ切りが多いのも当レースの特徴。勝ち馬3頭はいずれも大成とまではいかなかったが、果たしてスマイルカナは?

「馬の力を信じて乗ったのが良かった。自分のリズムで走れていたので、それを崩さないようにね。すごく身体能力が高い馬で、いいギアを持っている。ただ、テンションが高くなりがちなので、そこをいかに抑えられるかが今後の課題になりますね」と鞍上の柴田大。前例を超えた活躍をするには気性面の成長がまず大前提になろうか。

 これを受けた高橋祥調教師は「馬体重が増えていたし、パドックでは落ち着いていたので、(柴田)大知には“行って(逃げて)も大丈夫だろう”と話していたんです。前走がいい内容で期待していたけど、今回はさらにいい内容。こういう競馬をしているから、マイルの距離が合うと余計に感じる」と桜花賞ディスタンスまでは、今のスタイルを押し通すことに手応えを感じている。

 この先はいよいよ一線級が相手になるが、“迷いなき逃げ”で、大きな壁を突き破る可能性は十分に秘めている。