【旭堂南鷹のビンボー講談師に明日はない】シンザン記念 タガノビューティーに無心の◎

2020年01月11日 18時01分

タガノビューティー

【旭堂南鷹のビンボー講談師に明日はない】競馬をしていると、「講談師という職業が自分の身に染み入ってきたな」と思うときがある。昔は馬柱、調教、コメントといった“今”ばかりを見て、“未来”の予測をしていた。だが、ここ数年は過去のデータを見直すことが多くなった。歴史をひもとくのは、実に講談師らしい予想のアプローチと言えまいか。

 シンザン記念の傾向は、いたってシンプル。上がり最速の馬が確実に馬券に絡む。ここ5年で2勝、2着2回、3着1回。上がり最速をマークする馬さえ見つければ、ほぼ的中したようなものである。

 レースでの印象から真っ先に名前が挙がるのはタガノビューティー。2走前のプラタナス賞の末脚は、まぶたに焼きつくほど鮮烈だった。数字も2歳のダート戦では、めったにお目にかかれない34秒台。初芝の朝日杯FSで4着なら、芝への適性を疑う余地もない。

 歯切れのいいコメントが魅力の西園調教師からは「今年はこの馬で大きな花を咲かせたい」と威勢のいい言葉が飛び出した。春の大目標はケンタッキーダービーか、それとも皐月賞か。そんな“未来”を見たくてうずうずさせてくれる逸材だ。何も考えずに◎を打つ。

 このコラムのタイトルにあるように、ビンボー講談師に明日はない。雨が降り続いた今週のトレセン取材は、誰かが捨て置いた破れたカッパでしのいだほど。連休明けには水道停止の期限も迫っている。人間らしい暮らしを守るために絶対に負けられない勝負。それがシンザン記念なのだ。

◎タガノビューティー
〇ヴァルナ
▲ルーツドール
△カバジェーロ

【プロフィル】きょくどう・なんおう 講談師。マイケル・ジャクソンの自伝を読んで講談師の道を決意。演目は競馬、MJの他に「五代友厚」をシリーズ化。毎週日曜7時~ラジオ関西「旭堂南鷹の今昔なにわ物語」出演中。夢はグラミー賞朗読部門。