香港マイル史上初の大偉業でもJRA賞受賞ならず…アドマイヤマーズの逆襲に期待

2020年01月10日 21時01分

香港マイルを制したアドマイヤマーズ(左)

【栗東トレセン発秘話】2019年のJRA賞が7日、発表され、宝塚記念&有馬記念の両グランプリと豪コックスプレートを制したリスグラシューが「年度代表馬」に輝いた。年末の段階で矢作調教師も「投票をチェックするからな」とジョークを飛ばす余裕があったほどなので驚きはないのだが、年度代表馬の肩書を持って牧場に戻れる馬は極めて少ない。これ以上ない大団円の結末を受け、19日の引退式(京都競馬場)も大いに盛り上がるのでは? 多くのファンに著しく成長した彼女の姿を見てもらいたいものだ。

 一方、最も難しい選択を迫られた「最優秀3歳牡馬」の座は皐月賞馬サートゥルナーリアに。このコラムを熟読している稀有な読者ならば、サートゥルナーリアに対する記者の“偏愛ぶり”はご存じかもしれないし、同馬への取材も他の追随を許さないほどにしてきた自負がある。大好きな彼の受賞を喜ぶ気持ちも多少はあるのだが、実は記者が持っている貴重な1票はアドマイヤマーズに入れた。この部門だけでなく、結果的にインディチャンプが獲得した「最優秀短距離馬」も同馬に投票している。

 投票は各記者の見解によるものであり、その意見を否定しているわけではないことを前提に話を進めれば、「127」のレーティングを有するビューティージェネレーションと香港マイル路線の新エースとなりそうなワイククが出走し、その2頭がしっかりと上位を争ったうえで制した香港マイルは、レース史上初の3歳馬による勝利(国際GIに昇格した2000年以降)という大偉業でもあった。

 日本の3歳馬による海外GI勝利は05年シーザリオのアメリカンオークス以来2度目だが、同レースが3歳牝馬限定戦でレーティングも極めて低いGIであることを考えれば、同列に扱うことさえも悩むレベル。しかし、それほどのエポックメーキングな結果を残しても評価されなかった。単純なGIタイトルの数でも最多タイ(3歳馬のGI・2勝はアドマイヤマーズとクリソベリルのみ)。これで支持を得られないのであれば、この路線を歩む馬は、今後も表彰の対象にはならないということなのだろうか?

「マイルを走る3歳馬がJRA賞を取ろうと思ったら、すべてのレースをぶっこ抜かないとダメということがわかりました」と陣営も苦笑いしていたが、本当にそんな気分。今年はドバイも香港も国内のマイル路線もぶっこ抜いてもらい、部門賞などとケチなことを言わず、年度代表馬を争ってもらいたいものだ。