【井崎脩五郎氏の究極データ】2020年皐月賞の1、2着はすでに決まっているぞ!

2020年01月03日 16時01分

2013年の第80回日本ダービーを制した武豊(中央手前)騎乗のキズナ。右隣が2着の福永騎乗エピファネイア

「そりゃホントか井崎亭・お正月特別号編」は令和に入っても健在――。おなじみ井崎脩五郎氏が特別長編エッセー“19~20年版”をお届けする。今回のお題は…「すでに決まっている20年皐月賞の1、2着」。その根拠は、有史以来(?)のデータ解析に裏打ちされている。

 なるか、第80回3冠の奇跡――。

 こう聞いても、何のことか分からないでしょ。

 じつは席亭も、この話を立川末広から初めて聞いたときは、どういう内容なのか、あまりよく分からなかった。

 しかし、手許の資料をひっくり返しつつ見ているうちに、ああ、そういうことなのかと理解できた。

「これ、よく出来た話でしょ」

「うん、立川君、これはキミがこれまで見つけたなかで、いちばん面白いかもな」

 ご存じのとおり、3冠レースというのは、皐月賞、ダービー、菊花賞の三つだが、それぞれの80回目は、武豊と福永祐一のワンツーで決まっているというのだ。

 ここに列記してみよう。

★第80回ダービー(2013年5月26日)=1着キズナ(武豊)で2着エピファネイア(福永)。馬連1―9が970円

★第80回菊花賞(2019年10月20日)=1着ワールドプレミア(武豊)で2着サトノルークス(福永)。馬連5―14が4680円

 ご覧のとおり、ダービーも菊花賞も、武豊と福永で決まっているのである。

 あれっ!? 第80回皐月賞が書いてないじゃないかと思うでしょ。

 じつを言うと、まだ書けないのである。行われていないからだ。

 第80回皐月賞が行われるのは、2020年4月19日、つまり“今年”なのである。

 おそらくその皐月賞は、武豊と福永が、どちらが勝つにしても、1、2着を占めるであろうというのが、立川末広の予想なのだ。

「こういうことって、これまでにないんですか。たとえば、第60回の3冠レースは、ぜんぶ岡部と柴田政人で決まっていたとか」

「第60回の3冠レースか。ちょっと待ってくれ。いま、資料にあたってみるから…。ダービーは柴田政人(ウイニングチケット)と、岡部(ビワハヤヒデ)だな」

「ああ、あの年ね」

「菊花賞は、渡辺薫彦(ナリタトップロード)と、和田竜二(テイエムオペラオー)」

「皐月賞は?」

「第60回皐月賞は、武豊(エアシャカール)と、高橋亮(ダイタクリーヴァ)」

「みんな、違う騎手の1、2着ですね」

「そうなんだよ」

「第80回のようなことはこれまでないんですか」

「ないな。キミにこの話を聞いたあと、日本の3冠レースはもちろんのこと、欧米の3冠レースについても逐一調べたんだけど、似た例は一つもなかった」

「世界中のを調べたんですか?」

「うん。ラクダ競馬の3冠レースまで調べたんだけど、一つもなかった」

「あんなに毎日酔っぱらっていて、よく調べましたねえ…。ホントに調べたんですか」

「これは立川末広君だから言うけど、データで人を納得させるにはコツがあるんだよ」

「どんな?」

「ここ3か月を調べてみたところとか言っても、誰も納得してくれないんだよ。サンプル数が少な過ぎて。だから、大きく、戦前までさかのぼって調べたところと言ったりするほうがいい。そこまでは誰も検証したりしないから、仕方なく納得したりするんだよ」

「詐欺の手口じゃないですか」

「まあな」

 しかし、これは記録の神様と呼ばれたA氏から聞いたのだが、「自分の話に説得力を持たせるために、調べてもいないのに、過去50年間のデータによるとなんて、よく書いたものです」とおっしゃっていた。

「じゃあ、今回のデータも、さかのぼって調べてないんですね」

「年末年始は、酒を飲む機会が多くてなあ。調べるより、キミの話に乗ることにしたんだよ」

「えてして、こういう無責任なやつのほうが、的中したりするんだよ」

「そういうものですか」

「そういうもんだよ」

 さぁ、2020年の皐月賞で、武豊と福永祐一はどんな馬に乗っているのか。こんなんで的中したら、それこそ奇跡だな。