【有馬記念・後記】9着大敗アーモンドアイ 露呈してしまった弱点とは

2019年12月23日 21時33分

まさかの敗戦後、馬房でアーモンドアイと見つめあう国枝調教師

「史上最高のグランプリ」との前評判だった22日のGI第64回有馬記念(中山芝内2500メートル)に、とんでもない結末が待っていた。単オッズ1・5倍の断然人気だったアーモンドアイ(牝4・国枝)は9着に沈んだ。いったい何が起こったのか?

 最後の直線、スタンドの歓声は落胆の声に変わる。まさかの9着惨敗…。それは無敵を誇った女王の、隠れていたウイークポイントを浮き彫りにする結末でもあった。

「スタートしてスタンド前に来たところでスイッチが入ってしまった。そこからはずっとハミをかみ通し。馬のリズムが良くなかった」

 ルメールがこう語ったようにすべての敗因は折り合い…この一点に尽きよう。最初の4角で10番手に位置したアーモンドアイは、スタンド前に差し掛かると勢い良く8番手へ。この攻防を国枝調教師は次のように振り返る。

「最初はフィエールマンの後ろにいたが、3角でガチャガチャした時にポンと外に出されてしまった。横にサートゥルナーリアがいて内に入れず、前が開いてしまった。加えて反応のいい馬だけに、スタンドの歓声も手伝ってスイッチが入ってしまった」

 最後の直線まで鞍上が手綱を持ったままで運ぶのが本来のアーモンドアイの姿。それが今回はルメールに促されていた。それこそガソリン切れの証しだろう。直線で苦しがり、内によれた時点でルメールも追うのをあきらめざるを得なかった。

「フィジカルは大丈夫だったが、2500メートルだからリラックスして走れないとアーモンドアイでも疲れてしまう。これも競馬です」(ルメール)

 レコードVだった昨年のジャパンC、そしてレコードに0秒1差の天皇賞・秋。振り返れば、それはいずれも内枠で前に壁をつくれたことが道中のタメを生んでいた。走りに前向き過ぎる気性…それがもろ刃の剣であることが、グランプリで改めて露見したと言える。

「ゲートで他馬が蹴るしぐさをしてる時、反応して突進してしまった影響もあるのかな。いずれにせよ、いつもの走りが見られなかった。ぼうぜん自失です」との言葉を残して競馬場を後にした国枝調教師。課題は馬群に入れなかった際の気持ちのコントロールとなった。その大きな宿題を抱え、傷心の女王は令和2年を迎えることになる。

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