【朝日杯FS】サリオスより短距離志向の強い馬タイセイビジョンこそ逆転の使者

2019年12月13日 21時03分

馬房からカメラ目線で存在をアピールするタイセイビジョン

【朝日杯フューチュリティS(日曜=15日、阪神芝外1600メートル)栗東トレセン発秘話】ウオッカの1分33秒1はさすがにハードルが高いだろう。しかし、高速決着が続く現在の阪神芝で今年のメンバーが走れば、レッドリヴェールの1分33秒9は楽にクリアしてくるはず――。戦前、想定していた阪神JFの勝ち時計は1分33秒台半ば。それを基準にして予想を組み立てた。

 結果は予想をはるかに上回る1分32秒7のレコードタイム。ウオッカのそれを0秒4も上回った理由は速過ぎる馬場? 前日に行われた同舞台の古馬オープン・リゲルSの勝ち時計は1分33秒3。純粋にレシステンシアのスピードが予想を超えていたのだ。

 それこそ週初めには「切れに秀でるディープインパクト産駒(=圧倒的人気になったリアアメリア)の天敵は、スピードの持続力に秀でるダイワメジャー産駒(=レシステンシア)らしいですよ」なんて話を管理する松下調教師としていたのだが、これほどまでに鮮やかに決まるとは…。ベクトルの違う馬こそが本命馬のライバルになるという当たり前のセオリーを改めて痛感した次第だ。

 さて、今週の朝日杯FS。関東馬サリオスの1番人気が濃厚で、本紙予想を務める記者もサリオスこそが今週末の主役と考えているが、ちょっと気になることも。

 父ハーツクライで、母父ロミタスもドイツのステイヤー系種牡馬。ジャパンCにも参戦した凱旋門賞馬デインドリームはその代表産駒だ。本来の守備範囲はマイル以上の血統かも…と疑いたくもなる。ならば彼とは正反対のタイプ。つまりはマイル以上の距離に疑問符が付く馬を狙うのが面白いのかも…。

「そんな単純な話ではないですよ。1600メートルと1400メートルでは、流れも違いますから」とはタイセイビジョンを担当する菊本助手。記者の「サリオスのサウジアラビアRCの勝ち時計は1分32秒7。タイセイビジョンの京王杯2歳Sが1分20秒8。残りの200メートルを11秒9で走ることができれば、時計的には通用することになるけど」の質問に対する答えだ。

 もちろん、その違いを認識した上で、こちらも質問しているわけだが、そのトーンの低さは想定以上だった。その理由を聞くと「距離が微妙じゃないかと思っているんですよ。体形的にもそうだし、気性的にもそう。1400メートルの前走でも行きたがる面を見せていたくらいですからね」。

 しかし、先週の結果を踏まえて考えるのであれば、サリオスよりも短距離志向の強い馬こそが逆転の使者となるのでは? 実際、先週のレシステンシアも相手関係より距離の克服を最初のテーマに挙げていた。思い切って目をつむってみる手はあるだろう。ただし、菊本助手が強気になれない理由はもう一つある。

「パドックまではなんとか我慢ができるんですが、地下馬道を通るときに激しくイレ込んでしまうんです。負けはしましたが、地下馬道のない函館2歳S(2着)のときが最も落ち着いていて、勝った2戦はどちらも危なかった。今回は地元の阪神だから…と言われるでしょうけど、地下馬道を通るのは一緒ですからね。返し馬でテンションが上がっていないかどうか。それが距離克服のポイントになるかもしれません」

 それでも、レコードで重賞を勝ってしまうのだから、持っているポテンシャルは相当なもの。能力全開なら、もしかして…の期待も当然だろう。

 現地観戦の方はもちろん、映像でもライブ視聴が可能な方は、ぜひ返し馬のチェックを。もしかしたら、先週のような好配当を手にできるかもしれない。